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災害と復興の社会学〔増補版〕

著:立木茂雄

紙版

内容紹介

本増補版では,初版以降に実施された東日本大震災から10年間にわたる縦断的社会調査結果を基に,東日本大震災からの生活再建の過程の全体像を新たに第13章として追加し,東日本大震災の生活復興過程研究の全体像を紹介している。

目次

増補版へのまえがき
第1章 災害とは何か
1.はじめに―筆者と災害との関わり
2.災害は社会的に構築される

第2章 災害脆弱性の社会学 ⑴
1.防災と減災
2.阪神・淡路大震災における災害脆弱性
3.災害社会学小史

第3章 災害脆弱性の社会学 ⑵
1.災害リスクはハザードと脆弱性の関数である
2.高齢者,障害者と東日本大震災
3.障害とは何か?―個人モデルから社会モデルへ

第4章 災害過程を知る ⑴
―発災から復旧期までの社会の動きを学ぶ
1.災害過程への実証的研究―定量的調査とエスノグラフィー調査
2.西宮エスノグラフィー調査
3.1999年3月兵庫県復興調査
4.災害過程

第5章 災害過程を知る ⑵
―103時間・104時間以降における社会の動きを学ぶ
1.災害過程とそれぞれの時期
2.復興期の社会の姿とは?

第6章 災害に対して社会組織はどのように反応するのか ⑴
1.災害対応の組織的過程の社会学―DRCモデル
2.2007年能登半島地震における災害時要援護者への対応について

第7章 災害に対して社会組織はどのように反応するのか ⑵
―災害ボランティア組織・活動の諸相
1.災害対応の組織的過程と集合行動
2.日本海重油災害時のボランティアと行政の協働

第8章 災害時に創発される多元的組織ネットワークの社会学
1.阪神・淡路大震災におけるボランティア組織と行政との確執や協働の事例
2.多元的組織ネットワークが形成されるための構造的・機能的な要件

第9章 災害ストレスとトラウマ(心的外傷)の社会学
1.「こころのケア」の震災報道
2.子どもの「こころのケア」が叫ばれると,被災地の家族にはどのようなことが起こったか?
3.被災幼児の「心のやすらぎ保育」に参加した母親への質問紙調査

第10章 災害と家族
1.はじめに
2.家族システム円環モデル
3.震災後の心身ストレス・復興感と家族のきずな・かじとりの関係

第11章 災害とコミュニティ ⑴
―阪神・淡路大震災
1.社会調査から見る被災者の生活再建過程
2.生活再建とは何か
3.生活再建7要素モデルと生活復興感
4.生活復興パネル調査  200

第12章 災害とコミュニティ ⑵
―東日本大震災
1.はじめに
2.名取市生活再建草の根検証ワークショップ
3.2014年度名取市生活再建現況調査

第13章 災害とコミュニティ
―東日本大震災の縦断的生活復興調査
1.はじめに
2.「生活再建」の概念化と理論モデル化
3.東日本大震災後の名取市における生活再建現況調査

著者略歴

著:立木茂雄
1955年兵庫県で生まれる。1980年関西学院大学大学院社会学研究科修士課程修了。1982年トロント大学ソーシャルワーク大学院修士(MSW)課程修了。1985年トロント大学ソーシャルワーク大学院博士後期課程単位修得,1994年同課程修了(Ph.D.)。1986年関西学院大学社会学部専任講師,その後,同助教授,教授。2001年 より同志社大学文学部教授。専門:福祉防災学,家族研究,市民社会論。
主要著書・論文
『親と子の行動ケースワーク』ミネルヴァ書房,1982年(共著)/『カウンセリングの成功と失敗』創元社,1991年(共編著)/『ボランティアと市民社会―公共性は市民が紡ぎ出す―〔増補版〕』晃洋書房,2001年(編著)/『民主主義の文法―市民社会組織のためのロバート議事規則入門―〔新装版〕』萌書房,2014年(監訳),『家族システムの理論的・実証的研究〔増補改訂版〕―オルソンの円環モデル妥当性の検討』萌書房,2015年ほか多数。

ISBN:9784860651589
出版社:萌書房
判型:A5
ページ数:298ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2022年12月
発売日:2022年11月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS