宇宙はなぜ「暗い」のか?
著:津村 耕司
紙版
内容紹介
「宇宙が暗いなんて当たり前じゃないか」と思われるかもしれません。確かに私たちは毎日、太陽が沈んで夜になると、空が暗くなることを知っています。この夜の暗さこそが、「宇宙の暗さ」です。この当たり前に思えることは、じつはとても不思議なことで、「無限の空間に無限の恒星が一様にばらまかれているとしたら、空は全体が太陽面のように明るいはず」という問題として、オルバースのパラドックスと呼ばれています。
本書では、さまざまな角度から「宇宙の明るさ」について迫ることでその疑問を解き明かし、その過程において、宇宙に関する基礎的な知識も自然に学べるようになっています。
目次
1章 地球上から見た夜空の明るさ
1.1 夜空を見上げてみよう
1.2 光とは?
1.3 色とりどりな空の色
1.4 光害という公害
1.5 自然の夜空の明るさ
2章 宇宙から見た宇宙の明るさ
2.1 太陽系の惑星の動き
2.2 太陽系の大きさを測る
2.3 きらきら光る夜空の恒星
2.4 天の川の外の世界
2.5 オルバースのパラドックス
3章 赤外線で見た宇宙の明るさ
3.1 宇宙は宇宙塵に満ちている
3.2 温度と光の関係
3.3 赤外線での天文観測
4章 X線で見た宇宙の明るさ
4.1 ブラックホールの正体
4.2 明るく輝くブラックホール
4.3 ブラックホールは光を曲げる
4.4 巨大ブラックホール
5章 夜空が暗い本当の理由
5.1 夜空はどこまで見えている?
5.2 星の寿命が足りない
5.3 宇宙年齢では時間が足りない
5.4 現在の宇宙の明るさは?