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スピントロニクスハンドブック

基礎から応用まで

編:スピントロニクスハンドブック編集会
他編著:佐橋 政司
他編著:湯浅 新治

紙版

内容紹介

無充電で長期間使用できる究極のエコIT機器の実現へ向けて!
電荷と磁気(スピン)の両性質を巧みに利用し、ますます応用が広がるスピントロニクス!!

◆不揮発性・高い書換え耐性・低消費電力・高速処理等、優れた特性を有するスピントロニクスの研究の基礎から応用までを網羅!
◆MRAMを中心に磁気ストレージ、高周波デバイス、新機能デバイスへの応用や最新の研究成果を紹介!
◆スピントロニクス材料開発に用いられる先端計測や計算手法についても詳解!

IoT/AIなどのコンピュータ技術の進展と変革により、近年急速に需要が高まっているスピントロニクスについて、その基礎から応用まで(物理、材料から電子工学まで)を網羅。
スピンオービットロニクス、反強磁性体スピントロニクス、マルチフェロイクスやトポロジカル絶縁体などの最新の研究成果や話題も盛り込んだ、当該分野の第一線で活躍する執筆陣による、スピントロニクスとして集大成となるハンドブック。
大学院生(物理系、電子系、マテリアル系等)から研究者、企業研究者(エレクトロニクス系、材料創生等)等などに。

【主な目次】
Ⅰ 序編
Ⅱ 基礎編
Ⅲ 材料物性編
Ⅳ 先端計測・計算科学編
Ⅴ 応用編

目次

Ⅰ 序編
 第1章 概論
 第2章 スピントロニクス研究の歴史
  第1節 磁性金属多層膜と界面磁性
  第2節 磁気トンネル接合のトンネル磁気抵抗効果
Ⅱ 基礎編
 第3章 磁気の基礎
  第1節 磁気モーメントと磁気状態
  第2節 磁気異方性とスピン軌道相互作用
  第3節 磁区と磁壁,磁化過程
  第4節 強磁性共鳴とスピン波
  第5節 磁気ダンピング
  第6節 磁性金属多層膜の層間交換結合
  第7節 交換磁気異方性(交換バイアス)
 第4章 磁気輸送現象
  第1節 異方性磁気抵抗効果
  第2節 プラナーホール効果
  第3節 正常ホール効果と異常ホール効果
  第4節 巨大磁気抵抗効果(GMR)
  第5節 トンネル磁気抵抗効果(TMR)
  第6節 トンネル異方性磁気抵抗(TAMR)
  第7節 スピン流の生成と検出 Generation and detection of spin current
 第5章 スピン操作の基礎現象
  第1節 スピン移行トルク
  第2節 スピンホール効果
  第3節 スピン軌道トルク
  第4節 マルチフェロイクス
  第5節 電圧磁気異方性制御
 第6章 スピントロニクスの新現象
  第1節 スピンと光の諸現象
  第2節 スピンと熱の諸現象
  第3節 スキルミオン
  第4節 反強磁性体スピントロニクス
 第7章 磁化ダイナミクス
  第1節 磁壁の電流駆動
  第2節 光誘起磁化反転
 第8章 電気磁気効果
  第1節 クロム酸化物
  第2節 強磁性体/強誘電体ヘテロ構造における電気磁気効果
Ⅲ 材料物性編
 第9章 高磁気異方性
  第1節 高結晶磁気異方性
   第1項 L10型規則合金の結晶磁気異方性
   第2項 垂直磁化を示すマンガン磁性合金
   第3項 正方晶FeCo合金の磁気異方性
  第2節 界面垂直磁気異方性
   第1項 磁性金属/非磁性金属界面の垂直磁気異方性
   第2項 磁性金属/酸化物界面の垂直磁気異方性
   第3項 CoFeB/MgO積層構造の垂直磁気異方性
 第10章 高スピン偏極材料
  第1節 遷移金属・合金
  第2節 ホイスラー合金
   第1項 ホイスラー合金材料概要
   第2項 Co基フルホイスラー合金
   第3項 ハーフホイスラー合金
  第3節 酸化物
 第11章 トンネル障壁
  第1節 トンネル障壁の物理
  第2節 トンネル障壁材料
   第1項 Al酸化物および他のアモルファス系トンネル障壁
   第2項 結晶MgO(001)トンネル障壁およびその他の結晶性酸化物トンネル障壁
   第3項 トンネル障壁材料・その他酸化物,新規材料等
 第12章 反強磁性交換結合膜
  第1節 交換バイアス反強磁性体
  第2節 交換バイアス反強磁性酸化物
  第3節 層間結合と人工反強磁性体
 第13章 GMRスペーサ
  第1節 面内通電GMRと非磁性中間層材料
  第2節 垂直通電GMRと非磁性中間層材料
  第3節 垂直通電GMRの非磁性狭窄構造
 第14章 スピンホール効果(電極)材料
  第1節 重元素系
   第1項 Ta, W,
   第2項 合金系のピンホール効果
  第2節 反強磁性体
  第3節 バンド構造によるスピンホール効果
  第4節 トポロジカル絶縁体
 第15章 界面垂直磁気異方性の電界制御
  第1節 電界による磁気異方性制御の物理機構 Microscopic origin of voltage-controlled magnetic anisotropy effect
  第2節 電圧磁気異方性制御の材料設計
 第16章 半導体スピントロニクス材料
  第1節 磁性半導体
  第2節 電界によるスピン制御
  第3節 半導体量子構造の電子スピン波物性と制御
 第17章 分子スピントロニクス ―Molecular spintronics―
Ⅳ 先端計測・計算科学編
 第18章 放射光計測
  第1節 放射光XMCD
  第2節 放射光イメージング
 第19章 パルス光磁気計測
 第20章 スピントルク磁気共鳴(ST-FMR)―Spin-torque-induced ferromagnetic resonance―
 第21章 STEM法の基礎と応用
 第22章 テラヘルツ波を用いた計測
 第23章 第一原理計算
 第24章 マクロスピンシミュレーション
Ⅴ 応用編
 第25章 磁気ストレージ
  第1節 磁気ストレージの今日と将来展望
  第2節 記録方式
 第26章 磁気センサ
  第1節 GMR効果およびTMR効果の磁気センサへの応用
   第1項 GMR磁気センサ
   第2項 TMR磁気センサ
  第2節 生体磁気センシング
  第3節 IoT/IoHと磁気センサの将来展望
 第27章 不揮発性メモリMRAM
  第1節 MRAMの進展と将来展望
  第2節 垂直磁化STT-MRAM
   第1項 垂直磁気異方性材料の利用
   第2項 金属/酸化物界面垂直磁気異方性の利用
  第3節 スピン軌道トルクMRAM
  第4節 電圧トルクMRAM
  第5節 スピントロニクスメモリ,In-plane SOT-MRAM & VoCSM
  第6節 磁壁移動型MRAM
 第28章 単結晶磁気トンネル接合素子と三次元積層化技術
  第1節 大径ウェーハ上へのエピタキシャル成長
  第2節 ウェーハ貼合せと三次元積層技術
 第29章 不揮発性論理集積回路
  第1節 エナジーハーベスト電力駆動超省電力SoCへの展望
  第2節 スピントロニクス回路/システムの基本構成要素
   第1項 記憶回路 ―レジスタ,メモリ―
   第2項 演算回路
   第3項 その他の基本構成要素
  第3節 スピントロニクス回路/システム応用
   第1項 不揮発性マイクロプロセッサ/マイクロコントローラへの応用
   第2項 AIハードウェアへの応用
   第3項 耐災害性を考慮した回路・システム実現
  第4節 スピントロニクス集積回路の設計技術
   第1項 回路シミュレータSPICE上のスピントロニクス素子モデル
   第2項 スピントロニクス回路の設計フロー
  第5節 スピントロニクス集積回路の集積化プロセス技術
  第6節 不揮発性論理集積回路が拓く未来
 第30章 高周波デバイス
  第1節 高周波スピントロニクスの進展と将来展望
  第2節 磁気渦スピントルク発振素子と同期現象
  第3節 スピントルク検波素子
  第4節 高周波デバイスの各種応用
 第31章 新機能デバイス
  第1節 物理乱数発生素子 Spin dice
  第2節 スピン波デバイス
  第3節 異常ネルンスト効果とその熱電デバイス応用
  第4節 ニューロモルフィックデバイス・回路
  第5節 IV族半導体への電気的スピン注入と検出
  第6節 スピンを用いた量子センサ ―ダイヤモンドNV中心―
 第32章 スピントロニクスが切り拓く超低消費電力エレクトロニクスの世界

著者略歴

他編著:佐橋 政司
【監修・幹事会・編集委員会】
佐橋 政司(東北大学名誉教授)
他編著:湯浅 新治
【監修・幹事会・編集委員会】
湯浅 新治(国立研究開発法人産業技術総合研究所 新原理コンピューティング研究センター 研究センター長)

ISBN:9784860438425
出版社:エヌ・ティー・エス
判型:B5
ページ数:760ページ
定価:70000円(本体)
発行年月日:2023年05月
発売日:2023年05月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PHK
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PHQ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:TJF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 4:UXT