外国人住民の「非集住地域」の地域特性と生活課題
結節点としてのカトリック教会・日本語教室・民族学校の視点から
著:徳田 剛
著:二階堂 裕子
著:魁生 由美子
内容紹介
“「非集住地域」の外国人”に関する社会学の新境地
日本におけるこれまでの移民・エスニシティ研究では、外国人住民の「非集住地域」は必ずしも主要な対象とはされてこなかった。本書はそうした地域での希少な結節点となりうる 「カトリック教会」、「地域の日本語教室」、「民族学校」の活動やその多文化状況に関する社会学的研究である。
目次
1.はじめに(徳田 剛)
2.序章 「多文化社会・日本」の現況(徳田 剛)
2-1.滞日外国人の増加と地域社会の多文化化
2-2.外国人住民の「集住地域」を中心とした先行研究の流れ
2-3.外国人住民の「非集住地域」の概況-「集住地域」との違いから
2-4.滞日外国人数の推移の背景要因―時系列的な流れから
2-5.滞日外国人数の現況―2014年12月現在の在留外国人統計より
2-6.本書の構成
3.第1章「非集住地域」における外国人支援セクターとしてのカトリック教会(徳田 剛)
3-1 はじめに
3-2.カトリック教会による外国人支援活動の歴史
3-3.愛媛県のカトリック教会における英語ミサを通じた外国人信徒の交流
3-4.英語ミサ参加者の生活課題、意識特性および宗教生活 3-5.カトリック教会による東日本大震災後の被災外国人支援
3-6.外国人支援セクターとしてのカトリック教会の評価
4.第2章「非集住地域」における日本語学習支援活動を通した外国人住民の支援と包摂 ―ベトナム人技能実習生の事例から―(二階堂裕子)
4-1.研究の背景と目的
4-2.日本における外国人技能実習生制度の状況
4-3.ベトナム人技能実習生にとって日本での技能実習とは何か
4-4.日本語学習支援活動の意義
4-5.「非集住地域」における日本語学習支援活動がもたらす可能性
5.第3章「非集住地域」における民族的コミュニティの研究―四国の小さな民族学校を支える諸活動を中心に―(魁生由美子)
5-1.はじめに―在日コリアン「集住地域」と「非集住地域」の概況―
5-2.四国唯一の民族学校―四国朝鮮学校の概要と歴史的背景―
5-3.四国朝鮮学校の<いま・ここ>を支える諸活動
5-4.新校舎建設(1964年)から半世紀―モンダンヨンピルが来た日―
5-5.日本人市民からのアクション
6.第4章 外国人住民の「非集住地域」の地域特性―「ムラの国際結婚」と被災外国人研究の視点から(徳田 剛)
6-1.はじめに ― 「非集住地域」研究への着眼の経緯
6-2.「非集住地域」研究の先行事例(1)―「ムラの国際結婚」研究の視点から
6-3.「非集住地域」研究の先行事例(2)―東日本大震災時の被災外国人に関する論考から
6-4.「非集住地域」発の地域社会の多文化化戦略の可能性
7.補論 「東北発多文化共生」をめぐる「認識の衝突」について―金明秀著「東日本大震災と外国人」への応答(徳田 剛)
7-1.はじめに
7-2.金論文の概要
7-3.「非集住地域」研究の視点からの応答
7-4.むすびにかえて
8.おわりに(徳田 剛・二階堂裕子・魁生由美子)
ISBN:9784860372262
。出版社:創風社出版
。判型:A5
。ページ数:224ページ
。価格:1600円(本体)
。発行年月日:2016年03月
。発売日:2016年04月01日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KC。