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高田純の放射線防護学入門シリーズ

21世紀 人類は核を制す

核放射線の光と影を追い続けた物理学者の論文集―生命論、文明論、防護論

著:高田 純

紙版

内容紹介

世界の核ハザード調査から見える日本の課題と指針

 広島・長崎の原爆被災から核や放射線のアレルギーとなった日本人は,核放射線の真実と科学から遠ざかり,知らされないままに,東日本大震災での福島第一原発事故を迎えた。しかも誤った政府介入により,日本社会は長期間にわたる心理的動揺状態が続いている。
 本書は,原発事故発生直後の放射線衛生調査を踏まえ,福島の低線量事象を一貫して唱え続けてきた著者のバックグラウンドとなる論文を収載。福島事象で混乱した日本社会への指針として,生命論,文明論,防護論をプレミヤム章として新たに書き下ろした。引き続き,世界で最も核被災地の現場を知る放射線防護学者として,これまで10年以上にわたり発表した論文を「人口爆発する文明の危機と核エネルギー」「核放射線と健康」「核防護と核抑止力」のテーマで分類した。

目次

プロローグ─平成25年4月5日衆議院予算委員会

プレミアム─生命論/文明論/防護論

第一章─21世紀人口爆発する文明の危機と核エネルギー
・期待されるわが国の核エネルギー技術
・福島津波核災害の克服と日本の核エネルギー
・東日本放射線衛生調査と福島第一原子力発電所20km 圏の復興策

第二章─核放射線と健康
・紫外線量の多い地域では大腸がん死亡率は低い
・人間と牛に関する福島県放射線衛生調査─低線量で健康被害なし
・チェルノブリ原発事故と東海村臨界事故
・Sr-90の内部被曝と歯に対するベータ線計数
・1999年ロンゲラップ島線量調査
・核ハザードの環境および社会影響

第三章─核防護と核抑止力
・放射線防護医療研究の推進
・核爆発災害─被害予測と政府の課題
・核兵器テロに対する公衆の放射線防護
・核兵器テロ時の地下鉄による脱出シミュレーション
・核兵器テロ後のがん死亡被害予測
・核兵器テロ後の発がんによる寿命短縮の予測
・地表核爆発を例とした大規模核災害と日本の課題
・北朝鮮の核実験が日本へ与える放射線影響の予測と監視
・ソ連と中国の核兵器開発に学ぶ放射線防護
・セミパラチンスク核兵器実験場グランドゼロ─2002年の放射線調査
・大規模核災害時の線量の歴史的検証
・爆心地の放射線調査
・核エネルギー施設の安全と危機管理─中越沖地震と四川地震の検証
・フランス─核燃料サイクルの安全と防災調査
・強い日本を再建する高田純の三段階論

著者略歴

著:高田 純
理学博士・札幌医科大学教授

ISBN:9784860034382
出版社:医療科学社
判型:A5
ページ数:284ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2013年07月
発売日:2013年07月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:THK