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フランスの代表的左翼理論家である著者は、エコロジー的・自主管理的社会主義論を武器に現代社会を解剖し、新たなる社会の構想を宣言する。ヨーロッパのエコロジー運動と労働者自主管理運動のバイブルといわれる名著。

序論　彼らのエコロジーとわれわれのエコロジー
第一章　エコロジーと自由
１　エコロジー的リアリズム
２　政治経済学と生態学（エコロジー）――マルクスとイリッチ
３　エコロジスムと自主管理
４　エコロジーと資本主義の危機
５　富が貧困を生みだす時
６　平等と差違
７　社会的な自主管理と他者による管理――市民社会と国家
８　結論に代えて七つのテーゼ
９　あるユートピア――可能なもののひとつとして

第二章　エコロジーと社会
１　未来をつくりなおす
２　ぜいたくはそれ自体によって断罪されている
３　クルマの社会的イデオロギー
４　社会主義かエコファシズムか
５　一二〇億人の地球人口？

第三章　用具の論理
１　原発問題――すぐれて政治的な選択
２　原子力発電から電力ファシズムへ
３　国境のない帝国主義――多国籍企業
４　労働運動と〈生活の質〉

第四章　医療・健康・社会
序論 　１　医療と病気
２　健康と社会
３　科学と社会――医学の実例

エピローグ――アメリカ革命はまたはじまる

原注

訳者あとがき

著：アンドレ・ゴルツ
1924年、ウィーン生まれ。1961年以降、サルトルが創刊した総合月刊誌『レ・タン・モデルヌ』誌編集委員を務めた。1970年代から各種媒体に経済批評を執筆した。透徹した分析と斬新な切り口で現代社会の深層構造を解明してみせるその著作は、思想界や社会運動に大きな影響を与え続けている。現在は、工業社会における最良のマルクス主義理論家の一人として、エコロジー問題に真正面から取り組んでいる。文学作品『裏切者』（Le traitre, 1958. 紀伊国屋書店）でデビューし、『疎外の構造』（La morale de l'histoire, 1959. 合同出版）でマルクス主義哲学者としての声価を確立した。その他、邦訳された著作に、『困難な革命』（合同出版、1969年）、『エコロジスト宣言』（緑風出版、1983年）、『資本主義・社会主義・エコロジー』（新評論、1993年）などがある。

訳：高橋　武智
1935年生まれ。東京大学に学び、1963〜70年、立教大学でフランス語・フランス文学を教える。1965〜74年、ベ平連運動に積極的に参加。現在、翻訳・著述活動に専念。