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電磁波過敏症を治すには 増補改訂版

著:加藤 やすこ

紙版

内容紹介

携帯電話や無線通信技術の発展と普及によって、環境中を電磁波が飛び交い、電磁波過敏症の患者が世界的に急増しています。ところが、その認知度はまだまだ低く、マスコミも取り上げようとはしません。
 電磁波過敏症は環境因子が原因なので、個人でできることと、社会全体で取り組まねばいけないことがあります。次世代の子どもを守り、よりよい環境と社会システムを作るための働きかけが必要です。
 本書は、電磁波過敏症の当事者からの体験談も含め、どうすれば治すことができるかを具体的に提案しています。増補改訂版では、5Gに関する情報や問題点を加え、最新の動きを加筆しました。

目次

第一章 過敏症ってどんな病気?
1 引き金は生活環境の中に
どのくらいの人が発症している?/海外では過敏症を障害として認定/国によって異なる被曝規則

2 過敏症に関する海外の動向
因果関係を認めないWHOの見解に批判/規制をめざす欧州/EU諸国の対応/屋内環境の改善をめざすアメリカ/サンフランシスコ市の「携帯電話知る権利条例」/フランスでは法律でSAR値公開を義務づけ/電磁波過敏症を知らせるために

3 過敏症専門医の見解
有機リンと電磁波の影響/子どもへの影響は?/過敏症患者の治療・

第二章 電磁波による子どもへの影響
1 電磁波による胎児への影響
不妊症・流産の増加/考えられるメカニズム/携帯電話電磁波と精子の損傷/胎児を守る被曝基準を

2 電磁波と化学物質─発達障害への影響
増加する発達障害/有機リンと発達障害/電磁波と発達障害/研究者も子どもへの影響を懸念/電磁波と化学物質の複合影響

3 脳神経科学から見た発達障害
脳の発達を妨げる化学物質/脳の働きと電磁波/証明することの難しさ

4 原発事故の影響と基準値の欺瞞
電磁波過敏症への影響/CT検査でガンのリスクが増加/チェルノブイリ事故の影響/ドイツの原発周辺で白血病増加/状況次第で変わる「限度値」

第三章 八人の過敏症体験
1 発症して患者会を設立―著者・加藤やすこの経験
処方薬で化学物質過敏症に/電磁波過敏症を併発/うつと不眠、食欲不信に/転居せずに回復をめざす/過敏症の現状を伝えるために

2 電磁波過敏症の一家の闘い―塩田さん家族の経験
長野から東京まで二二〇キロをピースウォーク/ドコモと行政の不誠実な対応/電磁波を浴びながらウォークを敢行/三枝子さんの思い

3 働きながら過敏症から回復─佐藤祐子さんの経験
ホルマリン・化学実験の影響/内装工事のトラブル/働きながらの治療/電磁波過敏症の発症/学校の環境も改善/前向きな気持ちが回復のカギ

4 発達障害と過敏症が改善―小山ゆみさんの経験
シックハウスから過敏症に/ADHDを発症/発達障害と化学物質対策/環境によって症状が悪化/学校側はモンスターペアレント扱い/中学校へ進学し将来の夢も

5 化学物質の少ない環境で子どもを保育─木村洋子さんの経験
複合汚染で化学物質過敏症に/サウナとジョギングで体質改善/化学物質の少ない環境で保育を

6 過敏症を克服し運送会社で働く─北島宏子さんの経験
子どもの頃から病気がち/大学で電磁波過敏症に?/過敏症を改善するために/自分で自分を傷つけない/一〇年遅れで社会人に

7 化学物質/電磁波過敏症と難病を併発─鹿島豊子さんの経験
電磁波過敏症の発症原因はMRI?/医師の無理解と暴言/RSDも発症し左半身麻痺に/化学物質/電磁波過敏症でも手術/麻痺して気づいたこと/ヒーリングハープとの出会い/やりたいことができる幸せ

8 歯科治療で過敏症の症状が悪化─太田智子さんの経験
バイク事故から過敏症に/マンションの塗装・工事で車中生活に/過敏症患者を受け入れる歯科医院/電磁波被曝にも配慮/治療後に肩や首の凝りが解消

第四章 症状を改善するために
1 自分で出来る対策
環境因子を避ける/電磁波を測定し記録をつける/住宅の電磁波対策/症状と気持ちを日記に残す/精神的なケアの重要性/瞑想と深呼吸/代替医療

2 交通機関の携帯電話電磁波
六五%が体調不良の経験あり/鉄道会社各社の反応/形骸化したルールをどうするのか/電源オフをお願いするために

3 携帯電話基地局の規制が必要
これまでの撤去・中止事例/自治体で条例制定の動き/鎌倉市条例ができた背景/企業保護のため位置情報を非公開/「公開することが妥当」/5G規制条例を目指して/健康被害を体験した議員たち/宇都宮市議会で電磁波対策を求める質問と陳情/増え続ける電磁波

あとがき

著者略歴

著:加藤 やすこ
1966年北海道生まれ。環境ジャーナリスト。化学物質過敏症、電磁波過敏症発症後は、これらの環境病をテーマに執筆。訳書にザミール・P・シャリタ博士著『電磁波汚染と健康』、著書に『電磁波による健康被害』、『電磁波過敏症を治すには』、『危ないオール電化住宅(増補改訂版)』、『ユビキタス社会と電磁波』、『シックスクール問題と対策』『新 電磁波・化学物質過敏症対策』『5Gクライシス』(いずれも緑風出版)、『電磁波から家族を守る』(企業組合建築ジャーナル)。共著に『本当に怖い電磁波の話 身を守るにはどうする?』(金曜日)など。電磁波過敏症の研究の第一人者、オーレ・ヨハンソン博士(カロリンスカ研究所、スウェーデン)との共著論文も発表。電磁波過敏症の患者会『いのち環境ネットワーク(https://www.ehs-mcs-jp.com、旧・VOC-電磁波対策研究会)』代表

ISBN:9784846121129
出版社:緑風出版
判型:4-6
ページ数:216ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2021年06月
発売日:2021年06月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:MBN