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屠殺

著:テッド・ジェノウェイズ
訳:井上太一

紙版

内容紹介

 川上の監禁畜舎では過密飼育によって環境と動物福祉が日に日に脅かされ、川下の食肉処理工場ではヒスパニック系労働者が国内随一の危険な労働環境に置かれ、職を奪われた白人社会から敵意を向けられる。果てはスーパーマーケットでは抗生物質漬けの肉が消費者の健康を脅かす。それは生産増に奔走して限界に達してしまったアメリカ企業の肖像であり、また同時に質よりも低価格と利便性をとる人間の肖像でもある。
トランプ大統領を誕生させた現代アメリカ社会の暗部と病根を照らし出す渾身のルポルタージュ。(2016.11)

目次

プロローグ
第一部
 第1章 脳マシン
 第2章 コーヒーでも啜って神に祈ろう
 第3章 分身
第二部
 第4章 小さなメキシコ
 第5章 ゴミクズみたく捨てられて
 第6章 ここはお前たちの土地じゃない
第三部
 第7章 栽培から解体まで
 第8章 傷めつけたっていいんだよ
 第9章 猿轡
第四部
 第10章 これはおかしいと思いましたね
 第11章 お呼びじゃない
 第12章 兄さん、大丈夫?
第五部
 第13章 安全印
 第14章 土地の成り立ち
 第15章 水道局
第六部
 第16章 拒絶の町
 第17章 食肉検査
謝辞
原注
訳者あとがき

著者略歴

著:テッド・ジェノウェイズ
2003年から2012年にかけ、『バージニア・クォータリー・レビュー』誌の編集者を務める(在任中、同誌は6度、全米雑誌賞を受賞)。現在は『マザー・ジョーンズ』誌の寄稿編集者、『オン・アース』誌の総合編集者を務め、『アトランティック』『ブルームバーグ・ビジネスウィーク』『ハーパーズ』『ザ・ネーション』『ザ・ニュー・リパブリック』『アウトサイド』『ワシントン・ポスト・ブック・ワールド』など、数多くの雑誌に詩とエッセイを発表。全米記者クラブ賞、ジェームズ・アロンソン社会正義ジャーナリズム賞を受賞、全米人文科学基金およびグッゲンハイム財団から研究奨励金を授与される。ネブラスカ州民の四世、現在同州リンカーンに在住。
訳:井上太一
1984年生まれ。2008年、上智大学外国語学部英語学科を卒業。会社員を経たのち、翻訳業に従事。主な関心領域は動植物倫理、環境問題。語学力を活かして国内外の動物擁護団体、環境団体との連携活動も行なう。
訳書にアントニー・J・ノチェッラ二世ほか編『動物と戦争―真の非暴力へ、《軍事‐動物産業》複合体に立ち向かう』(新評論、2015年)、ダニエル・インホフ編『動物工場―工場式畜産CAFOの危険性』(緑風出版、2016年)、デビッド・A・ナイバート『動物・人間・暴虐史―“飼い貶し”の大罪、世界紛争と資本主義』(新評論、2016年)があるほか、寄稿論文に“Oceans Filled with Agony: Fish Oppression Driven by Capitalist Commodification” in David A. Nibert ed., Animal Oppression and Capitalism(Praeger Press, 2016 年刊行予定)がある。

ISBN:9784846116224
出版社:緑風出版
判型:4-6
ページ数:292ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2016年12月
発売日:2016年12月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WNF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:VF