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性同一性障害と戸籍

増補改訂版

他著:針間 克己
他著:大島 俊之
他著:野宮 亜紀

紙版

内容紹介

 性同一性障害者の願いで戸籍上の性を変更することを認める特例法が、2004年から施行された。これにより性別変更ができた人がいる反面、未成年の子どもがいないこと、性別適合手術の有無など、同法の定める性別変更の要件を満たせず、未だ苦しんでいる人もいる。
 本書は、精神科医や弁護士などの専門家と当事者が「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」をやさしく解説、具体的な戸籍の性別変更手続き、戸籍変更後の問題、そして同法の問題点などをQ&Aで答える。  増補改訂版では、2008年、2013年の特例法改正を踏まえ内容を刷新し、最新情報も加えた。(2013.02)

目次

Ⅰ 性同一性障害と特例法
 Q1 性同一性障害とは何ですか?
 Q2 ガイドラインとは何ですか?
 Q3 性同一性障害者性別取扱特例法とは何ですか?
 Q4 特例法はどのようにしてできたのですか?(成立に向けた動き)
 Q5 特例法はどのようにしてできたのですか?(法学的側面)
 Q6 特例法はどのようにしてできたのですか?(法案についての議論)
 Q7 特例法ができて、社会に与えた影響はありますか?
Ⅱ 戸籍の性別変更について
 Q8 戸籍の性別変更をするための要件とは何ですか?
 Q9 戸籍の性別変更をするためには、どんな準備が必要ですか?
 Q10 戸籍の性別変更に必要な診断書を書いてもらうにはどうしたらよいですか?
 Q11 生物学的な性別とは何ですか?
 Q12 性別の社会的適合とは何ですか?
 Q13 戸籍の性別変更に必要な医療機関での準備や費用は?
 Q14 家裁申立の費用と期間はどのくらいかかりますか?
 Q15 戸籍の性別変更手続の仕方はどうするのですか?
 Q16 裁判所での審査は、具体的にどんなことをするのですか?
Ⅲ 戸籍の性別変更をした人
 Q17 これまでの戸籍の性別変更をした人の統計というものはあるのでしょうか?
 Q18 戸籍の性別変更をした理由は何ですか? メリットはありますか?
 Q19 住民票や保険証など、役所の手続はどうするのですか?
 Q20 結婚はできるのでしょうか?
 Q21 生殖補助医療は受けられるのでしょうか?
 Q22 他の病気で病院にかかる時はどうすればよいでしょうか?
 Q23 職場では性別の扱いはどうなるでしょうか?
 Q24 過去の性別をカミングアウトせざるをえないことはありますか?
 Q25 戸籍の性別変更をして、全ては終わったのでしょうか?
Ⅳ 戸籍の性別変更をしていない人
 Q26 戸籍の性別変更をしていない性同一性障害の人はどのくらいでしょうか?
 Q27 戸籍の性別変更をしていない人はどういう人なのでしょうか?
 Q28 診断書を書いてもらえない場合はどうなるのですか?
 Q29 子どもがいる場合はどうなるのですか?
 Q30 二十歳未満の人はどうなるのですか?
 Q31 結婚しているとどうなるのですか?
 Q32 性別適合手術を望まない人はどうなるのですか?
 Q33 戸籍の性別を変更しないままで生活するとデメリットはありますか?
 Q34 改名はどうしたらよいのですか?
Ⅴ 戸籍の性別変更を考えている人
 Q35 ガイドラインからはずれている場合はどうなりますか?
 Q36 精神科医に認めてもらえないことはありますか?
 Q37 要件をクリアしていても認められないことはありますか?
 Q38 海外で手術していても大丈夫でしょうか?
 Q39 家族が反対していても大丈夫ですか?
 Q40 結婚歴があっても大丈夫ですか?
 Q41 ニューハーフやおなべでも認められますか?
 Q42 性分化疾患(インターセックス)でも認められますか?
 Q43 海外に在住している場合はどうなるのですか?
 Q44 弁護士や司法書士に頼む必要はありますか?
 Q45 戸籍の性別変更はどこに相談に行けばよいでしょうか?
 Q46 戸籍の性別変更をしたい子を持つ親の対応はどうしたらいいですか?
Ⅵ 今後の課題
 Q47 特例法が日本の性同一性障害の医療に与えた影響はありますか?
 Q48 当事者の「性と生殖に関わる権利」は保障されていますか?
 Q49 FTMの妻が人工授精で子を産んだ場合には、その子は嫡出子なの?
 Q50 今後の制度的な改善はどのようにすべきですか?
資料① 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律
資料② 診断書の記載例
資料③ 適合状況診断書の記載例
資料④ 申立書の記載例
資料⑤ 診断書(50%縮小版)
資料⑥ 申立書(50%縮小版)
資料⑦ 全国の家庭裁判所一覧

著者略歴

他著:針間 克己
東京大学医学部医学科卒業。東京大学医学部大学院博士課程終了。医学博士。日本性科学学会幹事長。性同一性障害研究会理事。日本精神神経学会「性同一性障害に関する委員会」委員。The World Professional Association for Transgender Health(WPATH)会員。専門:精神医学、性心理障害。2008年4月、千代田区神田小川町3-24-1にて、はりまメンタルクリニック開院。著書:『性非行少年の心理療法』(有斐閣)、『一人ひとりの性を大切にして生きる』(少年写真新聞社)、『Q&A 性同一性障害と戸籍』(緑風出版、共著)、『私たちの仲間』(訳著。緑風出版)等多数。
他著:大島 俊之
弁護士(弁護士法人淀屋橋・山上合同、大阪弁護士会)。大阪大学法学部卒。法学博士。大阪府立大学専任講師、助教授、神戸学院大学法学部教授、法科大学院教授、九州国際大学大学院法学研究科長を経て現職。カナダ・ケベック州のラバル大学で在外研究(1983年~1984年)。フランスのストラスブール大学法学部で在外研究(1995年~1997年)。私法学会理事(2001年~2006年)、信託法学会理事(2002年~2007年)、GID(性同一性障害)学会理事長(2005年~2010年)。
カナダ首相出版賞受賞(1999年)。尾中郁夫・家族法学術賞受賞(2003年)。
他著:野宮 亜紀
東京生まれ。早稲田大学第一文学部心理学専修卒業。1998年より、性同一性障害/トランスセクシュアル/トランスジェンダーの自助・支援グループ「Trans-Net Japan:TSとTGを支える人々の会」運営メンバー。和光大学非常勤講師(2005年〜2011年)、神奈川大学非常勤講師(2013年〜)。著書に『Q&A 性同一性障害って何?[増補改訂版]』(共著、緑風出版)、『Q&A パートナーシップ・生活と制度 - 結婚、事実婚、同性婚』(共編著、緑風出版)など。

ISBN:9784846113049
出版社:緑風出版
判型:A5変
ページ数:216ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2013年03月
発売日:2013年03月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:MBN