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ダイオキシンは怖くないという嘘

著:長山 淳哉

紙版

内容紹介

ごみ焼却場などからのダイオキシン汚染が深刻化するなかで、汚染対策を強く求める国民の声に押されて、議員立法でダイオキシン対策法が成立、国もようやくここ10年、ダイオキシン対策に取り組んできた。ところが一方で、こうしたダイオキシン対策は無駄、ダイオキシン法は悪法であるとか、ダイオキシン は恐くない、といった論調の本が次々と出版され、新聞までもが好意的な評価を加える事態となっている。このままでは、ダイオキシン問題をミスリードしかねない。
本書は、ダイオキシンは恐くない、環境ホルモン問題は空騒ぎ、ダイオキシン法は悪法という嘘を立証するため、その中心的論客である、中西準子(産業技術総合研究所化学物質リスク管理センター所長)、渡辺正(東京大学生産技術研究所教授)、林俊郎(目白大学人間社会学部教授)、安井至(国連大学副学長)ら各氏の論調を詳細に取り上げ、彼らの主張がいかに科学的に間違っているかを明らかにする。

目次

はじめに

第一章 ダイオキシンは空騒ぎか
中西氏のダイオキシンは怖くない根拠
私の研究への中西氏の “批判”
ダイオキシンによる胎児への影響
有害物質の人への影響は全重量当たりの濃度で評価を
急増する先天異常
複合汚染の影響

第二章 ダイオキシンは神話か
『ダイオキシン 神話の終焉』への私の抗議
問題のグラフ
厚生省の報告書を、よく理解してから発言してほしい
実際にデータがそのようになっていればそう言わざるを得ない
肝ガン死亡率で林氏が謝罪
林氏の肝ガン死亡分析の誤り
ダイオキシンは天然物か?
インディアナ大学の研究が示すもの
中西氏らの解析の根本的誤り
やはりダイオキシンは猛毒物質

第三章 ダイオキシン専門家は嘘つきか
「サリンの数倍」
どういう理由で「嘘つき」呼ばわりするのか
安井氏の「嘘つき」呼ばわりそのものが
はぐらかし
両者の根本的相違
安井氏の手前勝手な回答
遠山氏の総括
私への中傷とその反論

第四章 ある名誉毀損裁判
発端
抗議と謝罪
名誉毀損で提訴
伏線
環境ホルモン問題は早くも「精算」や「総括」できる問題か
中西氏の謝罪と不誠実な対応
言論の封じ込め?
中西氏の巧みな法廷戦術
最低限の社会規範を守れ

おわりに

著者略歴

著:長山 淳哉
1947年高知県生まれ。九州大学大学院医学研究科博士課程修了。米国・国立環境保健研究所生殖発生毒性学部門博士研究員を経て、現在、九州大学大学院医学研究院准教授。医学博士。大学院時代、ライフワークの原点ともなったカネミ油症の原因物質PCDFs(ダイベンゾフラン、ダイオキシン類の一種)を発見。以来、ダイオキシン研究の第一人者として活躍を続けている。専門は環境分子疫学、環境遺伝毒性学。
主な著書に『しのびよるダイオキシン汚染』(講談社)、『母体汚染と胎児・乳児』(ニュートンプレス)、『胎児からの警告』(小学館)、『コーラベイビー』(西日本新聞社)など。英文論文114篇、国際学会発表82回と国際的にも活躍している。

ISBN:9784846107154
出版社:緑風出版
判型:4-6
ページ数:232ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2007年10月
発売日:2007年10月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQ