レイモンド・チャンドラー、エドワード・ゴーリー、ビリー・ホリデイ、チャールズ・シュルツ、ヘレン・ケラー、バラク・オバマ――
古今東西の作家、芸術家、音楽家、研究者、医者、政治家、トレーナーたちが、
どれほどの愛をもってペットに接し、そしてその別れにどう向き合ってきたか
本書は、100名以上の著名人がのこした、ペットにまつわる152のことばと、24名についてのエッセイを収録した、ペットへの深い愛が詰まった一冊です。
手紙や日記、伝記、回顧録、エッセイ、インタビュー等を通して明らかにされるペットとの絆、別れを迎える「そのとき」の心境、その後の喪失感とどう向き合ったかがそれぞれ綴られています。
エッセイでは写真とともにエピソードを紹介しており、『ピーナッツ』作者のチャールズ・シュルツとスパイク(スヌーピーのモデル、雑種犬)、『ピータラビット』作者のビアトリクス・ポターとシャリファ(ネズミ)、レイモンド・チャンドラーと女王タキ(ペルシャ猫)など、犬や猫だけでなく、ウサギや鳥、馬、ネズミ、マングースなどの動物も登場します。
愛するペットを失うその心の痛みについて、ノーベル賞作家のV・S・ナイポールは「大きな悲劇」と表現し、作家のメイ・サートンは「火山が噴きあがるような激しい悲しみ」と称しています。本書は、ペットロスに悩む方、「そのとき」への心構えができない・想像もつかないという方にとって、慰めと将来への展望を与えてくれる、道しるべとなる一冊です。
この数年間、あの子は部屋の隅々を、分刻みの時間を、そしてわたしを、とてもやさしく満たしてくれた。
――アリス・B・トクラス(芸術家)
探しものの最中に、うちの猫の1匹がもうじき9歳になり、そしてもう1匹がまもなく8歳になるという事実に出くわした。
てっきりまだ5歳か6歳くらいだと思っていたのに。
――エドワード・ゴーリー(作家・芸術家)
悲しみは長くつづき、もう二度と犬は飼わないと心に決めた。
けれども、誰もが知っているように、そのうちにまた別の犬がやって来るのだ。
――ヘレン・ケラー(教育家・作家・社会活動家)
その駆け抜ける生は、あまりにも短い。犬はあっという間に行ってしまう。
その悲しみの物語なら、わたしにもあるし、きっとあなたにもあるだろう。
老いていくのをただ見守るなんて、意志の敗北、愛の敗北のようにさえ思える。
どんな手を尽くしてでも、ずっとそばにいてほしい、若いままでいてほしい。
ただひとつ、わたしたちが与えられぬ贈り物。
――メアリー・ウォリバー(詩人)
【本書に登場する主な人々】
アンディ・ウォーホル、フ…