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「感情」から書く脚本術

心を奪って釘づけにする物語の書き方

著:カール・イグレシアス
訳:島内 哲朗

紙版

内容紹介

プロットじゃない、構成じゃない、キャラクター造型でもない。一番大事なのは「感情」なんだ!心の動きを誘導し、最後までのめりこませる物語を書く。UCLAの人気課外授業、待望の邦訳!あなたが映画の「魔法」を信じたいなら、この本を読まないことをお勧めする。上級テクニックを紹介することによって、銀幕の魔法を解体してしまう。手品を見て感激したあとで種明かしをされるようなものだ。ーーーー本文抜粋より本書の原題は、Writing for Emotional Impact、つまり「感情的なインパクトを起こすための書き方」です。私たちが、映画や小説の世界にのめりこんで時も忘れて楽しめるとき、上記の本文にある通り、「魔法」にかかっています。その正体とは、物語の始めから終わりまで、心を揺さぶる「感情的インパクト」のこと。人は感情を動かされる「感情的体験」のために、映画のチケットを買い、数時間を費やすのです。本書は、読者や観客の感情を掻き立て、心をつかんで離さないためのあらゆる設計を、あますところなく伝授します。脚本の基礎もテクニックも駆使したうえで、では、なぜ自分のホンが採用されないのか、作品化されないのか。それは「魔法」がとけてしまう瞬間がどこかにあるからです。一瞬たりとも、一行たりとも気は抜けないのです。そこで、本書は、名作の脚本を徹底的に解体し、語り方を分析します。キャラクター造形や構成など大枠はもちろん、場面(シーン)でのやり取り、一つ一つの台詞、単語ひとつに至るまで、細かく具体的な技巧を指南します。優に100を超える技術によって、二度と同じ目線で同じ作品・脚本を観られなくなるはずです。脚本の基礎は、他の本で学んでください。さらに、もう一歩抜け出したいときに、本書と、同じ著者の「脚本を書くための101の習慣」は、必ず役に立ちます。

目次

■INTRODUCTION 感情をお届けする商売また脚本の書き方? 感情についての一考察感情を売るビジネス、それがハリウッド感情を掻き立てる技巧脚本家としての2つの仕事話術巧みに語るための3つの感情キャラクターの感情対読者の感情この本のゴールちょっと警告■CHAPTER 1 読者:唯一のお客さん読者は最初の観客下読みは門番だ下読みは知性的、しかも情報通下読みはブラックな労働で疲幣しているでも下読みは脚本家の味方下読みの仕事お断りするのにも、理由がある下読みは、脚本に何を求めているか■CHAPTER 2 コンセプト:その物語にしかない魅力基本:コンセプトについて知っておくべきことアイデアこそがハリウッドの王様コンセプトは売れるコンセプトの技巧:アイデアにエネルギーを注入する手段あるコンセプトに対する理想的な反応アイデアに訴えさせるアイデアが訴える力を強くする12の方法タイトルを魅力的にする人気のあるジャンルを選ぶ実例:コンセプト創りの脚本術■CHAPTER 3 テーマ:普遍的な意味基本:テーマについて知っておくべきことテーマの技巧:テーマを仄めかせるテーマを語らず見せるための9つの技実例:テーマ創りの脚本術■CHAPTER 4 キャラクター:共感を掴む基本:キャラクターについて知っておくべきことキャラクター造型に必要な5つの質問キャラクターの技巧:キャラクターとの絆キャラクターとその変化を見せるキャラクターの人格や個性をページ上で見せる6つの方法キャラクターとの絆■CHAPTER 5 物語:高まる緊張感基礎:物語について知っておくべきこと物語対プロットプロットの技巧:読む人の心を最後まで釘づけにする面白いと思わせることが、すべて興味/魅力/洞察/畏敬好奇心でそそる、驚かせる期待/希望/心配/恐れサスペンス/意図/不安/心配/疑念驚き/狼狽/笑いスリル/喜び/笑い/悲しみ/勝利共感/情/賞賛/軽蔑メロドラマと感傷実例:物語創りの脚本術即座に読者の心と共感を掴む技実例:キャラクター造型の脚本術■CHAPTER 6 構成:のめりこませるための設計基本:構成について知っておくべきこと構成の技巧:それぞれの幕が持つ感情的要素第一幕 関心を掴む第二幕 緊迫感と期待感第三幕 満足実例:構成の脚本術■CHAPTER 7 場面:心を奪って釘づけにする基本:場面について知っておくべきことそれぞれの場面は、小さな物語である劇的な場面に必要な要素場面とキャラクター技巧:最高の場面を書くために心を奪う場面を創る技実例:場面設計の脚本術■CHAPTER 8 ト書き:スタイリッシュに心を掴む基本:ト書きについて知っておくべきこと素人がよく犯す間違い脚本執筆、技巧の基礎技巧編:動くト書き読者の関心を操る動きを与える読者を釘づけにするキャラクターの描写場所の描写おまけ。プロが教えるコツ実例:ト書き描写の脚本術■CHAPTER 9 台詞:鮮烈な声基本:台詞について知っておくべきこと最高の台詞の特徴やってはいけない台詞の失敗技巧:鮮やかな台詞を書くために感情的インパクトを与える技個性的な台詞を生む技さり気ない説明の技サブテクストの技鼻につく台詞でも構わないとき何度でも書き直す台詞を試す台詞の達人から学ぶ■CHAPTER 10 最後に:ページに描く改稿のコツ脚本を読んで盗む脚本家はページに描く

著者略歴

著:カール・イグレシアス
脚本家であり、脚本コンサルタントであり、スクリプト・ドクターとしても人気が高いイグレシアスは、ページ上で感傷的な反応を引き起こす専門家。UCLAの課外脚本執筆講座、スクリーンライティング・エキスポ、そしてオンライン講座であるライターズ・ユニバーシティで教鞭をとる。クリエイティブ・スクリーンライティング誌にも定期的に脚本技巧について寄稿している。著書に『脚本を書くための101の習慣』がある。
訳:島内 哲朗
映像翻訳者。法政大学経済学部卒。南イリノイ大学コミュニケーション学部映画科卒。カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。ロサンゼルスで映画の絵コンテ・アーティストとしてプロとしての第一歩を印した。帰国後はゲーム関係の場面設定や背景設定などにも携わり、ナイキやユナイテッド航空など海外合作CMの絵コンテを描く。アート関係ではメルボルン、シドニー、サウンフランシスコで開催された手塚治虫展「Tezuka, the Marvel of Manga」の図録翻訳と執筆交渉、第55回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展で特別表彰された田中功起氏の作品の英語字幕などがある。

ISBN:9784845915828
出版社:フィルムアート社
判型:A5
ページ数:440ページ
価格:2400円(本体)
発行年月日:2016年04月
発売日:2016年04月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DSA