まえがき
序章 反戦・反核の原点となった初代「ゴジラ」
ゴジラの正体 南太平洋の海に沈んだ戦死者たちの化身
大戸島はどこにあるか
反戦・反核の原点となった初代「ゴジラ」(一九五四年)
香山滋の原作に基づく検討用台本
「ゴジラの逆襲」(一九五五年)、ガメラ、大魔神、鉄腕アトム、原発
ゴジラ映画の分類
1章 自衛隊受容の到達点としての「シン・ゴジラ」
戦後史のなかの自衛隊
自衛隊受容の到達点としての「シン・ゴジラ」(二〇一六年)
庵野秀明の演出と岡本喜八
東日本大震災と「シン・ゴジラ」
ゴジラと原発
コラム① 伊福部昭とアイヌ音楽
2章 福島原発事故とアメリカ版「GODZILLA」
福島原発事故とアメリカ版「GODZILLA」(二〇一四年)
ビキニ水爆実験の免罪
「怪獣王ゴジラ(Godzilla, King of the Monsters!)」(一九五六年)
「GODZILLA」(二〇一四年)
ゴジラとアメリカのテレビ事情
ふたたび「シン・ゴジラ」について
コラム② 映画「オッペンハイマー」(二〇二三年)
3章 「コング対ゴジラ」 ゴジラとアメリカの半世紀
キングコングとゴジラ
「キングコング対ゴジラ」(一九六二年)
「コングvsゴジラ」(二〇二一年)
ゴジラと日本のテレビ事情
テレビからインターネットへ
ゴジラとアメリカの半世紀
コラム③ ウルトラQのなかの怪獣たち
4章 ゴジラ誕生七〇周年記念作品「ゴジラ-1.0」をめぐって
「2001年宇宙の旅」(一九六八年)
「シン・ゴジラ」(二〇一六年)と初版「ゴジラ」(一九五四年)が出発点
映画「三丁目の夕日」の圧倒的映像美
プロジェクトX「ゴジラ-1.0」
ゴジラ誕生七〇周年記念作品「ゴジラ-1.0」(二〇二三年)
コラム④ 「ゴジラ」原作者・香山滋
5章 モスラとザ・ピーナッツ
モスラとは何者か
「モスラ」(一九六一年)とザ・ピーナッツ
東宝とナベプロとの蜜月
「モスラ対ゴジラ」(一九六四年)と岩谷時子
「モスラvsゴジラ」(一九九二年)
コラム⑤ 俳優・宝田明の反戦思想
6章 冷戦下の米ソ宇宙開発とキングギドラ
宇宙怪獣キングギドラ
冷戦下の米ソ宇宙開発
「三大怪獣 地球最大の決戦」(一九六四年)
「怪獣大戦争」(一九六五年)
「怪獣総進撃」(一九六八年)
「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」(一九七二年)
「ゴジラvsスペースゴジラ」(一九九四年)
アメリカ版「キング・オブ・モンスターズ」(二〇一九年)
コラム⑥ 監督・本多猪四郎
7章 へドラからメカゴジラへ~高度経済成長下の日本
高度経済成長下の日本
佐野眞一、高度経済成長三部作
「ゴジラ対ヘドラ」(一九七一年)
「ゴジラ対メカゴジラ」(一九七四年)「メカゴジラの逆襲」(一九七五年)
ふたたび「ゴジラの正体」について 戦死者約三三〇万人の過半数は、餓死
コラム⑦ ウルトラマンと金城哲夫
8章 低迷する「ゴジラ」映画~「失われた三〇年」
私の見た「失われた三〇年」
「ゴジラ2000 ミレニアム」vsアメリカ映画「レディ・プレイヤー1」
SFXからVFXへ モノ作りの衰退と円谷プロの敗北
みたび「ゴジラの正体」について 流浪する民、ゴジラ
コラム⑧ プロデューサー・田中友幸
9章 自分を映し出す鏡「ゴジラ」~前橋高校という装置
前橋高校という装置
『フランス帰りのN子』
裸の女の子の手をひいて
ピンクのナースキャップ
五〇年ぶりの同窓会初参加
クラス劇「国定忠治」
コラム⑨ 重松清『定年ゴジラ』
10章 若狭小浜の反原発僧・中嶌哲演和上
名刹 棡山「明通寺」
ゴジラ映画のなかの原子力描写
原発反対までの軌跡
小浜での反原発市民運動
小出裕章氏との対談
槌田劭氏との対談
コラム⑩ 円谷英二の生涯
終章 怪人から怪獣へ
怪人から怪獣へ
近代社会運動史から戦争孤児、そして戦後史へ
戦後史研究の方法~私的問題と公的問題
「周辺研究」という方法
教養主義の牙城・大学図書館
ルサンチマンの不気味さ
シンプルな「あとがき」