出版書誌データベース

急速に効率化が進む福祉現場において、福祉の担い手としての自分とコスト抑制や能率向上が優先される労働者としての自分との板挟みで苦悩するソーシャルワーカー（SW)。このジレンマをどう乗り越えればいいのか。福祉現場、社会構造、教育過程など多方面から方策を検討する。現職SWやSWを志す学生にも役立つ１冊。

まえがき（志賀信夫）
第1章　社会福祉教育の可能性を求めて
――社会福祉教育の展開：戦前期から社会福祉士制度成立まで（加美嘉史）
第2章　ソーシャルワーク教育の現状と課題（中野加奈子）
第３章　ソーシャルワークと社会福祉労働（日田剛）
第4章　「隣の国では！？」韓国ソーシャルワーカーの教育、実践、連帯と運動
　　　　　（孔栄鍾）
【Column１】世界を変える社会福祉士（キム・ヘミ）
第5章　「専門的」に、ではなく「反社会的」に！？
――賃労働としての福祉労働と抵抗（岡部茜）
第6章　「ソーシャルワークの拒否」へ向けて（桜井啓太）
第7章　　福祉労働者がソーシャルワーカーになるために（志賀信夫）
【Column２】フォレスト倶楽部（鶴幸一郎）
あとがき（加美嘉史）

編著：加美嘉史
佛教大学社会福祉学部教授（公的扶助論、貧困問題、就労支援）。主な著作に、『現代の貧困と公的扶助――低所得者に対する支援と生活保護制度』〔共編著〕（高菅出版、2016年）、『救護施設からの風』〔監修〕（クリエイツかもがわ、2019年）、『就労支援（第2版）』〔共著〕（ミネルヴァ書房、2014年）などがある。

著：志賀信夫
大分大学福祉健康科学部准教授（貧困理論、社会政策）。主な著作に、『貧困理論の再検討―相対的貧困から社会的排除へ』（法律文化社、2016年）、『ベーシックインカムを問いなおす―その現実と可能性』〔編共著〕（法律文化社、2019年）、『貧困理論入門―連帯による自由の平等』（堀之内出版、2022年）、『なぜ基地と貧困は沖縄に集中するのか―本土優先、沖縄劣後の構造』［共編著］（堀之内出版、2022年）、などがある。