渡辺治著作集 第4巻
著:渡辺治
紙版
内容紹介
昭和天皇死去と天皇「代替わり」の前後に発生し日本を席巻した「自粛」「記帳」の嵐、右翼の暴力の横行といった天皇現象はなぜ起こったのか。戦後憲法のもとで、一切の政治権力を剥奪された結果、もはや統治の中心ではなくなり、戦後の保守支配層の要請に応じて役割を変える、いわば戦後政治の「従属変数」になった天皇。支配構造全体の変化とその中で支配層に求められた天皇の役割を分析することで、戦後政治史にける天皇制を明らかにする。
目次
Ⅰ部 戦後政治史の中の天皇制/1 戦後政治史の中の天皇制/序 本書の課題と視角―現代天皇制論の課題/
第一編 現代日本社会の構造と天皇制―「自粛」と「記帳」の社会学/第二編 戦後政治史の中の天皇制/第三編 現代天皇制の行方―「保守」と「反動」のギャップ/Ⅱ部 象徴天皇をめぐる諸問題/2 日本帝国主義の復活と天皇制分析の視角/3 戦後憲法史の中の天皇制/4 現代日本の民主主義・自由と本島発言/5 「本島事件」と現代日本社会の自由/6 これからの天皇制―大国日本の岐路