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「外国人嫁」の国際社会学

「定住」概念を問い直す

著:大野恵理

紙版

内容紹介

いわゆる外国人散在地域に居住する「農村花嫁」や「外国人嫁」と呼ばれた在日外国人女性たちに着目。彼女らを結婚移住女性として位置付け、そのモビリティに着目し、これまでの「定住」をあらためて問い直し、移住先社会に埋め込まれた非対称なジェンダー構造を明らかにする。

目次

序 章 本書の問題意識/結婚移住女性をめぐる国際移動研究  
 問題意識/先行研究の検討/研究課題/用語の定義/調査方法/本書の構成
第1章 移住女性の「定住」をとらえる――「ホーム」をめぐる理論的検討 
 移民研究における「定住」の議論とその限界/「ホーム」は″ Home,Sweet Home〟ではない――フェミニスト地理学の知見/移り変わる「ホーム」をとらえる――A・ハーシュマンを援用して
第2章 農村空間のジェンダーと「ホーム」 
 はじめに/「農村花嫁」としての結婚移住プロセス/結婚移住女性の農業・農外就労、再生産労働/新たな農家女性としての活動――地域住民とのトランスローカル農業ビジネス/農村社会と「ホーム」/小括
第3章 地域社会に埋め込まれたジェンダーと「ホーム」 
 はじめに/家族からの「離脱」――結婚移住女性のライフストーリーから/「ホーム」の作り直しとジェンダー/小括
第4章 移民ネットワーク内のジェンダーと「ホーム」 
 はじめに/社会的ネットワークの変容と形成/生活支援のネットワークの形成と分断/ネットワークからの「離脱」と新たな「ホーム」/移り変わる「ホーム」/小括
終 章 「ホーム」をめぐるジェンダーとモビリティ 
 本研究の結論/今後の課題

著者略歴

著:大野恵理
2020 年フェリス女学院大学人文科学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。
専門は国際社会学、移民研究、ジェンダー研究。
主な論文に、「移住女性の『ホーム』概念に関する予備的考察―その柔軟性と身体との関連について」(社会理論・動態研究所『理論と動態』第14 号、2021 年)、「国際離婚後のひとり親フイリピン女性の子育て実践―『定住者』資格とジェンダー役割に着目して」(移民政策学会編『移民政策研究』第13 号、2021 年)、「外国人非集住地域のカトリック教会におけるフイリピン女性ネットワーク―ネットワークの分断局面に着目して」(国際ジェンダー学会編『国際ジェンダー学会誌』第17 号、2019年)
現在、神奈川大学他非常勤講師。

ISBN:9784842065977
出版社:有信堂高文社
判型:A5
ページ数:240ページ
定価:4600円(本体)
発行年月日:2022年01月
発売日:2022年01月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBS
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:JHBK