内容紹介
社会関係資本と訳されるソーシャル・キャピタル。それがどのように構築され、次世代の資本継承につながっていくのか。 子どもの教育をめぐるソーシャル・キャピタルについて母親に焦点を当て分析する。
目次
【序章】 子育てとソーシャル・キャピタル
問題の所在/SC概念についての議論と本書での考え方/本書の構成/調査の概要
【第1部】
第1章 ソーシャル・キャピタルとは何か:ソーシャル・キャピタル概念の登場とその背景/SCの定義をめぐって/SC概念の問題点
第2章 教育とソーシャル・キャピタル:ソーシャル・キャピタル研究がもたらした「混乱」/教育社会学領域におけるSC研究と背景理論/結束型集合財としてのSCの形成に着目した研究/結束型個人財としてのSCに着目した研究/橋渡し型個人財としてのSCに着目した研究/橋渡し型集合財としてのSCに着目した研究/SC研究第2の混乱――既視感/SCは教育の格差に立ち向かえるか
第3章 家族とソーシャル・キャピタル:家族とソーシャル・キャピタルをめぐる論理構成/日本の家族の変化/育児とSC/介護とSC/家族の多様性と依存労働
第4章 女性の就業とソーシャル・キャピタル:女性の就業という課題/子供のいる女性の就業という課題/女性の再就職、転職、キャリア形成/若年不安定層における女性の就業とSC/むすびにかえて
【第2部】
第5章 子育て世代の教育意識とソーシャル・キャピタル:ネットワーク、コミュニティ、規範/教育・文化的実践とSC/地域社会を生きる母親とSC
第6章 子供の進学と母親のソーシャル・キャピタル:教育格差とソーシャル・キャピタルに関する知見/本章における分析――進学とSC/進学格差/母親のSCと子どもの進学/進学に対するSCの混交的効果
第7章 地域移動とソーシャル・キャピタル:問題の所在/子育てに関する地域差/母親の地域移動と子育てサポート/子育て中の地域移動と子育て社会関係資本/地域移動は子育てをどのように変化させるのか
第8章 誰が子どもの食に配慮するのか?――母親の抗リスク消費とソーシャル・キャピタル:問題の所在/食の消費と健康意識に関する先行研究/「子供に与える食の安全性」への意識に関する7つの仮設/重回帰分析――「子供の食べるものに注意する」もは誰か?/抗リスク消費とSC――インタビュー調査より/考察
第9章 ネットワークの規範の形成:子育てと介護と仕事を両立するためのSC/上の子の看護をしながらの下の子の出産・育児/考察
著者略歴
他著:石川由香里
活水女子大学健康生活学部教授
1995年都立大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学 博士(社会学)
他著:杉原名穂子
新潟大学人文学部准教授
1993年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程単位取得退学
他著:喜多加実代
福岡教育大学教育学部教授
1994年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程単位取得退学
ISBN:9784842065922
。出版社:有信堂高文社
。判型:A5
。ページ数:224ページ
。定価:3000円(本体)
。発行年月日:2018年03月
。発売日:2018年03月15日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JN。