出版書誌データベース

「形勢はいいんだけど、どうやれば勝てるの？」、「形勢が悪いときの戦い方がわからない」
勝ち切るのは大変で、負けるときはあっさり。
形勢判断ができても、その後の具体的な指し手に悩むことはないでしょうか。

本書では、形勢判断の３要素である「駒の損得」、「玉の堅さ」、「駒の働き」の優劣を細分化し、パターンに応じた戦い方を紹介します。

たとえば、
駒の損得→〇、玉の堅さ→〇、駒の働き→×　
駒の損得→×、玉の堅さ→×、駒の働き→〇　
などと戦況ごとに場合分けし、それぞれの局面での方針の立て方や考え方を、瀬川先生の実戦をもとに解説。どこに主張を求めるか、どう相手のよさを消すか。瀬川先生の手堅い指し回しを伝授します。

優勢な将棋を分かりやすく、劣勢な将棋は複雑に。
勝ちにつながる構想をもった将棋を指しましょう。

第１章　優勢を勝ちにするには

第１局　決めどころを見極める
第76期順位戦Ｃ級２組 阿部光瑠六段戦

第２局　働きの弱い駒を使う
第23期竜王戦昇級決定戦６組 森信雄七段戦

第３局　相手の駒の働きを消す
第48期棋王戦コナミグループ杯予選 山本博志四段戦

第４局　主張を奪われない
第15回朝日杯将棋オープン一次予選 松尾歩八段戦

第５局　駒不足を補う
第９期銀河戦本戦 藤原直哉五段戦

第６局　駒の働きの差を保つ
第47期棋王戦予選 野月浩貴八段戦
第７局　良いときほど冷静に
第21期竜王戦昇級決定戦６組 沼春雄六段戦

第８局　微差を勝ちきるには
第40期棋王戦予選 近藤正和六段戦

第１章　まとめ
参考棋譜

第２章　劣勢を逆転につなげよう

第１局　王手のかかりやすい形に
第34期竜王戦昇級決定戦６組 本田奎五段戦

第２局　寄りにくい玉形で逆転を目指す
第80期順位戦Ｃ級２組 今泉健司五段戦

第３局　主張を死守する
第９期銀河戦本戦 窪田義行五段戦

第４局　相手陣を薄めてトン死筋を作る
第68期王将戦１次予選 長岡裕也五段戦

第５局　相手を焦らせる
第48期棋王戦コナミグループ杯予選 深浦康市九段戦

第６局　敗戦から学ぶ(1)複雑な手は逆転の余地を生む
第76期順位戦Ｃ級２組 今泉健司四段戦

第７局　敗戦から学ぶ(2)玉が狭い時はトン死する可能性がある
第24期銀河戦本戦 堀口一史座七段戦

第８局　敗戦から学ぶ(3)勝負手の通し方
第７期叡王戦段位別予選六段戦 増田康宏六段戦

第２章　まとめ
参考棋譜

第３章　互角の将棋はこう指せ
第１局　駒の働きでリードを奪う
第73期順位戦Ｃ級２組 内藤國雄九段戦

第２局　相手の駒をさばかせない
第47期棋王戦予選 髙野秀行六段戦

第３局　堅陣を生かす攻め方
第９期銀河戦本戦 豊川孝弘五段戦

第４局　相手陣を薄める
第12期銀河戦決勝トーナメント 久保利明八段戦

第５局　大駒に活を入れる
第45期棋王戦予選 佐々木勇気七段戦

第６局　駒の働きに差をつける
第９期銀河戦本戦 小林裕士四段戦

第７局　駒の働きで差をつける２
第47期棋王戦予選 上野裕和六段戦

第８局　対抗形は抑えこみ
第69期順位戦Ｃ級２組 永瀬拓矢四段戦

第９局　金を寄せる手に悪手なし
第31期竜王戦昇級決定戦６組 髙野智史四段戦

第10局　相手陣の弱みをつく
第92期ヒューリック杯棋聖戦１次予選 大平武洋六段戦

第11局　穴熊完成の前に開戦
第13回朝日杯将棋オープン戦一次予選 小倉久史七段戦

第12局　好形をイメージ
第16回朝日杯将棋オープン戦一次予選 郷田真隆九段戦

第３章　まとめ
参考棋譜

※段位・肩書は原則的に当時のものです。

コラム１　スパ好きのルーツ
コラム２　健弥くん

著：瀬川晶司
1970年３月23日生まれ　神奈川県横浜市出身
1984年４月　６級で安恵照剛八段門
1996年３月　年齢制限により退会
2005年11月６日　四段（棋士編入試験合格による）
2012年８月13日　五段
2018年11月８日　六段
横歩取りを得意とする居飛車党。
アマチュア時代に参加したプロ棋戦で、17勝６敗の成績を挙げた。
上記の実績にて棋士編入試験に挑み、３勝２敗の成績を挙げ、四段となる。
2009年５月、フリークラスからＣ級２組へ昇級。第33回将棋大賞で、東京将棋記者会賞を受賞。
著書に、『横歩取りマップ』（マイナビ出版）、『泣き虫しょったんの奇跡』（講談社）などがある。