風に紅葉考
百花繚乱する〈性〉への目差し
著:大倉 比呂志
紙版
内容紹介
風に紅葉の散る時は……
中世王朝物語に属する『いはでしのぶ』や『我身にたどる姫君』には、密通という〈性〉に関わる描写が溢れている。
はたして、『風に紅葉』ではそれがどのように語られているのだろうか。
本書七編の論文をもとに、その実体を照射する。
目次
凡例
序
第一章
〈性の博物館〉としての『風に紅葉』
第二章
『風に紅葉』における男主人公大将を取り巻く人間たち
第三章
『風に紅葉』における〈精進落とし〉の記事をめぐっての断章
─『源氏物語』摂取の新たな技─
第四章
『風に紅葉』と『恋路ゆかしき大将』との類似性をめぐって
第五章
『風に紅葉』と『とはずがたり』との共通基盤
─〈性の被管理者〉から〈性の管理者〉へ─
第六章
『風に紅葉』拾遺
第七章
『風に紅葉』続拾遺
初出一覧
後記