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柳宗悦と京都

民藝のルーツを訪ねる

他著:杉山 享司
他著:土田 眞紀
他著:鷺 珠江

紙版

内容紹介

大正13(1924)年、関東大震災で京都に疎開していた柳宗悦は、濱田庄司の紹介で河井寬次郎と出会うことになります。3人は弘法さん(東寺)や天神さん(北野天満宮)で開かれる骨董市に出かけ、そこで見つけたものは「下手(げて)もの」と呼ばれた雑器や布類でした。そして柳宗悦たちは、日常で使う道具の中にこそ「美」は存在すると考え、「民衆的工藝=民藝」 と名付けました。そして昭和8(1933)年東京に戻り、昭和11(1937)年目黒区駒場に日本民藝館を開設することになります。この約10年間に蒐めたモノは貨車4台分にのぼったといわれていますが、この京都時代が「民藝」にとっての揺籃期となったことは意外に知られていません。本書はその京都時代の柳宗悦にスポットを当てた、「民藝」誕生の秘密にアプローチした一冊です。

内容◎我孫子から京都へ~誰と出会い、何を行い、どんなものを蒐めたのか。(日本民藝館学芸部長・杉山享司)
◎「民藝」が誕生した磁場ー大正末期の京都と柳宗悦(同志社大学文学部講師・土田眞紀)
◎運命の出会い~柳宗悦と河井寬次郎(河井寬次郎記念館学芸員・鷺 珠江)
◎京都民藝散歩~柳宗悦の俤を訪ねて(京都民藝協会理事・四釡尚人)
4人の著者が、あらゆる角度から柳宗悦が京都に遺した足跡をたどります。

著者略歴

他著:杉山 享司
一九五七年生まれ。専門は、工芸史(民藝運動を中心に)、博物館学。現在、日本民藝館学芸部長。多摩美術大学、法政大学、武蔵野美術大学非常勤講師。最近の主な論考に「日本民藝館のコレクション――柳宗悦の蒐集をめぐって」(『ミュゼオロジーの展開 経営論・資料論』武蔵野美術大学出版局、二〇一六年)、「柳宗悦の旅をめぐって」(『民藝の日本 柳宗悦と[手仕事の日本]を旅する』筑摩書房、二〇一七年)ほか。
他著:土田 眞紀
一九六〇年、大阪生まれ。大阪大学大学院文学研究科西洋美術史専攻博士後期課程単位取得退学。一九八七年から一九九九年まで三重県立美術館に学芸員として勤務し、「ヴァン・ド・ヴェルド展」、「20世紀日本美術再見」展、「柳宗悦展」などの展覧会企画に携わる。現在は同志社大学文学部嘱託講師。専門分野は近代工芸・デザイン史。著書に『さまよえる工藝——柳宗悦と近代』(草風館、二〇〇七年)等がある。
他著:鷺 珠江
一九五七年、河井博次・須也子の三女として京都市に生まれる。一九八〇年、同志社大学文学部文化史学科卒。同年より河井寬次郎記念館学芸員として勤務。以降、祖父河井寬次郎に関わる展覧会の企画・監修や出版、講演会、資料保存などに携わる。主な著作に『河井寬次郎の宇宙』(監修・共著、講談社)、『やきものの楽しみ〜近現代の陶芸I〜』(共著、小学館)、河井寬次郎展各種図録編集、執筆。河井須也子著『不忘の記〜父河井寬次郎と縁の人々〜』(監修・執筆、青幻舎)など。

ISBN:9784838105809
出版社:光村推古書院
判型:A5
ページ数:240ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2018年08月
発売日:2018年08月10日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WF