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静かな海にザトウクジラのお母さんの歌声が響きます。もうすぐクジラの赤ちゃんが生まれるのです。お月さまが見守るなか、赤ちゃんはお母さんのおなかの中の小さな海から広い海へとすべりでました。そして、赤ちゃんは小さな息を「ぶおーっ」と吹き上げ、お月さまにはじめてのご挨拶をしました。神沢利子さんの心地よいことばと、あべ弘士さんのあたたかな絵で描かれた、愛情たっぷりの絵本です。

文：神沢　利子
神沢利子　文　　神沢利子（かんざわ としこ） 1924年、福岡県に生まれる。北海道、樺太（現サハリン）で幼少期を過ごす。詩、童謡、童話の創作に長年活躍し、数々の賞を受賞。著書に、『ぽとんぽとんはなんのおと』『たまごのあかちゃん』（以上福音館書店）『くまの子ウーフ』（ポプラ社）など多数。東京在住。

絵：あべ　弘士
あべ弘士　絵　　あべ弘士（あべ ひろし） 1948年、北海道旭川市に生まれる。旭山動物園で飼育係として勤務後、絵本を中心とした創作活動をしている。絵本に『雪の上のなぞのあしあと』『どうぶつえんガイド』（以上福音館書店）『あらしのよるに』（講談社）など多数。旭川市在住。