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日本傑作絵本シリーズ

セミ神さまのお告げ

アイヌの昔話より

再話・古布絵制作:宇梶 静江

紙版

内容紹介

虫や鳥はアイヌの人々にとって、予知能力を持ち、人々にそれを知らせてくれる身近な存在です。この絵本は、歌で津波の危険を告げる、六代の人の世を生きたおばあさんが主人公。その警告を信じて高所へ移った村人は助かり、笑って本気にしなかった村人は命を落とします。屋根にのぼって助かった人々と共に海に流されたおばあさんは、海神の怒りを買い、地獄まで落ち、蝉に生まれ変わるという壮大な物語です。理屈では掴めない大自然の摂理と生命の不思議が、糸と布によってエネルギー溢れる絵により物語られます。

著者略歴

再話・古布絵制作:宇梶 静江
宇梶静江 著者紹介宇梶静江(うかじ しずえ)1933年、北海道浦河郡生まれ。20代で上京、働きながら苦学。その後結婚、2児の母となる。次々に頼って上京してくる同胞のめんどうをみながら、1972年、朝日新聞の投書欄に「ウタリ(同胞)よ、手をつなごう」と呼びかける。これが反響を呼び、関東圏のアイヌ復権運動の草分けとなる。同時にアイヌであることを伏せて暮らす同胞の反感も呼び、苦悩の日々の始まりでもあった。小さいころから絵が好きで、大人になってからは詩作や演劇にも没頭、しかし本当に絵の制作に時間がさけるようになったのは60歳をすぎてから。アイヌの刺繍を生かした古布絵を編み出してからは、アイヌであることの喜びを深く実感して、心が解放されていった。ただの一度も自ら戦争をしかけたことのない民族としての誇り、自然を崇めるアイヌの豊かな文化を、若いアイヌ世代に伝えたいと、一針一針に願いを込めて制作を続けている。本作は二作目で、一作目はアイヌ神謡集(カムイユカラ)からの再話による『シマフクロウとサケ』(福音館書店)で、三作目も進行中。千葉県在住。

ISBN:9784834023251
出版社:福音館書店
判型:A4変
ページ数:36ページ
定価:1300円(本体)
発行年月日:2008年03月
発売日:2008年03月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:YBC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:YNA
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:XA