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山姥の娘まゆは、ある日鬼に会います。鬼はまゆを煮て食べようとお湯を沸かしはじめます。まゆはそうとは知らず、薪の山を作ったり、かまどの石を積んだり、手伝います。その怪力に驚いた鬼も、鍋のお湯が沸くころには、もうすぐまゆを食べられるとにんまり。ところがお湯が沸くと、風呂を沸かしているとばかり思っているまゆは、「お先にどうぞ」と言うなり、鬼を鍋に放り込んでしまいます……。

文：富安　陽子
富安陽子　富安陽子1959年東京に生まれ、大阪で育つ。主な作品に『やまんば山のモッコたち』（福音館書店/IBBYオナーリスト賞）「ちいさなスズナ姫」シリーズ（偕成社/新美南吉児童文学賞）「こどものとも」には『ケンカオニ』『まゆとブカブカブー』『まゆとりゅう』がある。大阪在住。

絵：降矢　なな
降矢なな　降矢なな1961年東京に生まれる。自作の絵本に『ちょろりんのすてきなセーター』『ちょろりんととっけー』、他に『めっきらもっきら　どおんどん』『きょだいなきょだいな』『ねえ　どっちがすき？』などがある。現在スロヴァキア共和国在住。