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笠原政雄さんは、新潟県長岡市に住んでいた昔話の語り手です。笠原さんはお母さんから昔話を聞いて育ちました。この本は、笠原さんが語った「思い出」話といわゆる昔話との二部構成になっています。中村とも子さんが５年の歳月を費やして笠原さんから聞き集めた、昔話の数々とそれにまつわる思い出話に、どうぞ耳をかたむけてください。吉本宗さんのあたたかくユーモラスなさし絵もお楽しみください。（F-10）

語り：笠原　政雄
笠原政雄　 語りの笠原政雄さんは、１９１８年、新潟県柏崎市に生まれた。１９３３年に上京し、東京築地の食品問屋に奉公した。その後、１９３９年に兵隊として中国東北部へ行った。４２年に除隊し、しばらく奉公した後、帰省。１９４３年、新潟県長岡駅に勤務、笠原君江さんと結婚し、笠原家の婿養子となった。１９５８年、昔話研究家水沢謙一氏を知り、『とんとあったてんがな』（未来社）に笠原さんの昔話が五十話発表される。１９７９年、『甲信越』（日本の民話？ぎょうせい）にも発表され、このころから昔話の語り手として、図書館の研究会や家庭文庫、幼稚園などに招かれるようになった。１９７３年、国鉄を退職、１９９４年没。

編：中村　とも子
中村とも子　編者の中村とも子さんは１９５４年生まれ。日本女子大学在学中に、フィールドワークを中心として、口承文芸の分野に目をひらかれた。日本口承文芸学会会員。挿絵の吉本宗さんは１９４２年静岡県生まれ。本名正幸、桑沢デザイン研究所卒。舞台美術家、故吉田謙吉氏に絵を学ぶ。イラストレーター。児童出版美術家連盟会員、浦和木版画協会会員。

画：吉本　宗
吉本宗