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なにわ塾叢書 45

日本の裁判を考える

司法独立へのいばらの道

講話:色川 幸太郎
編:大阪府「なにわ塾」

紙版

内容紹介

最高裁判所判事として多くの人権擁護の意見を示した氏が、日本の司法権がいかに独立してきたかを説き起こすとともに、あるべき裁判制度にふれる。

目次

まえがき

第一回講座 私の歩んできた道
はじめに
東京から大阪へ
農民組合の顧問弁護士として
大阪労働学校の講師となって
民事の選択と労働委員会
履歴を振り返って

第二回講座 近代的裁判制度の揺籃期
明治初期の司法官制の動き
大阪会議と大審院の創設
江藤司法卿の業績と佐賀の乱
刑事法制の変遷
代言人の公許と弁護士の誕生

第三回講座 大津事件から治安維持法まで
大津事件の時代背景
大津事件の概要と危機感
児島大審院長の反論
司法の独立を死守した判決
大逆事件における司法の後退
暗黒時代における司法の無力

第四回講座 戦後の司法改革と最高裁判所
違憲立法審査権の判定
恵庭事件と長沼ナイキ基地訴訟
最高裁による規則制定権の確立
調査官制度の利点
最高裁判事の意見表明義務
八海事件について
多数意見と反対意見
尊属殺規定に対する違憲判決

第五回講座 裁判官の独立ということ
司法権の独立と裁判官の独立
裁判官の良心とは
冤罪はなぜ起こるのか
裁判官による法解釈の相違
司法権の侵害と裁判官への圧力
裁判官の身分上の独立と今後の課題
質問に答えて

略年譜
塾生名簿
あとがき

著者略歴

講話:色川 幸太郎
1903年、千葉県生まれ。27年、東京帝国大学法学部卒業とともに大阪で弁護士となり、農民組合の顧問弁護士として小作事件を扱う。労働方角の草分け的存在。
戦後は、日大大阪専門学校教授、大阪地方労働委員会委員、大阪弁護士会会長、法制審議会委員などを経て、66年、最高裁判所判事に就任。
在任中に多くの少数意見を開陳する。73年、弁護士に復帰。
労働法関係、判例評釈等の著書、編著は多数にのぼる。

ISBN:9784833901451
出版社:ブレーンセンター
判型:新書
ページ数:192ページ
定価:602円(本体)
発行年月日:1992年