凡例
序章 戦間期日本における女性労働とシスターフッド………執筆者一同
はじめに
1 戦間期における女性労働
2 連帯へのアプローチ:文学・運動・研究
3 本書の構成
4 女性同士の連帯:シスターフッドへの模索
おわりに
第1章 中本たか子:『モスリン横丁』における女性知識人と女性労働者のシスターフッド………水溜真由美
はじめに
1 1929年、亀戸に集う女性知識人
2 作品の梗概と本章の観点
3 女性知識人と女性労働者の関係
4 愛情の問題と女性間の軋轢
5 女性知識人間のライバル関係
おわりに
第2章 佐多稲子:女性労働の空間におけるコミュニケーションへの着目………上戸理恵
はじめに
1 搾取の空間への着目と孤立からの離脱:「キャラメル工場から」、「お目見得」、「怒り」、「レストラン洛陽」
2 労働争議における言語実践:「女店員とストライキ」、東京モスリン労働争議五部作
おわりに
第3章 松田解子:「おりん」三部作における女性労働者像………水溜真由美
はじめに
1 鉱山における女性労働
2 鉱山における女性労働をめぐるジレンマ
3 鉱山事務所のタイピスト
4 鉱山における小学校教師
おわりに
第4章 奥むめお:「家庭婦人」と「職業婦人」を架橋する女性たちの協同運動………亀口まか
はじめに
1 新たな女性運動の道へ
2 協同運動への模索
3 婦人セツルメントの開始
4 働く婦人の家の設立
5 消費組合運動の継続
6 協同運動の試み
おわりに
第5章 桟敷ジョセフィン(よし子):倉紡万寿工場の女子寄宿舎・教化係として………岸 伸子
はじめに
1 桟敷よし子と日本女子大学校社会事業学部
2 「先進的」倉紡万寿工場の特徴:寄宿舎と自治制
3 企業内厚生事業を担った「桟敷良子」
4 「産業合理化」に直面した桟敷よし子と女子労働者
5 争議団621名とともに“起つ”
おわりに
第6章 丸岡秀子:『日本農村婦人問題』が描いた悲惨な農村母性………広瀬玲子
はじめに
1 丸岡秀子の生い立ち:原点としての農村
2 丸岡重堯との出会いと理論の模索時代
3 産業組合中央会に勤務:全国の農村を歩く
4 権利としての母子保護:「母子保護の一視角」
5 『日本農村婦人問題』初版の序文
6 『日本農村婦人問題』の概要
7 農村母性の悲惨
おわりに:悲惨にあえぐ農村婦人へのエールとして
第7章 三瓶孝子:『日本綿業発達史』が描いた紡績女性労働………広瀬玲子
はじめに
1 三瓶孝子の生い立ちと女性労働への関心の萌芽
2 『日本綿業発達史』に見る女性労働の叙述
おわりに
第8章 女性労働者たち─繊維産業における労働運動と表現………辻 智子
はじめに
1 女性労働者にとっての読み書き
2 東京モスリン紡織沼津工場と労働組合
3 女性労働者たち
4 労働組合の教育運動
5 地域の婦人運動としての広がり
おわりに
あとがき
ならべ読み年表:本書でとりあげた女性たちの歩み
執筆者紹介