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ソール・アリンスキーとデモクラシーの挑戦

20世紀アメリカにおけるコミュニティ組織化運動の政治史

著:石神 圭子

紙版

内容紹介

20世紀の米国においてコミュニティ・オーガナイジングと呼ばれる活動を確立し、その中核として大きな足跡を残したソール・アリンスキーの活動を辿り、彼の活動の理論的・実践的意義を明らかにする。ボトムアップの民主主義を可能にするオーガナイザーの役割に注目する。

目次

序 章 アリンスキーを位置づけなおす
 第1節 問題の所在
 第2節 生涯と思想――概観
 第3節 先行研究の整理
 第4節 本書の出発点と課題

第1章 もう一つのニューディールへの挑戦
 第1節 アメリカ社会とコミュニティ
 第2節 「秩序ある革命」――バックオブザヤーズ近隣協議会の設立
 第3節 シカゴ学派のアリンスキー
 第4節 トクヴィルを超える?――人民権力の起動
 第5節 大衆社会と個人主義

第2章 挑戦から挫折へ?
 第1節 保守化するコミュニティ――実践と理念の乖離
 第2節 「宗教」と連帯の模索
 第3節 権力の再構成――20世紀リベラリズムへの批判

第3章 責任と参加
 第1節 境界線のコミュニティ――人種・階級問題のはざまで
 第2節 黒人貧困層の組織化へ
 第3節 開かれた機会、公共空間の危機
 第4節 コミュニティと自助
 第5節 たたかう都市の教会

第4章 自由と権力
 第1節 開かれたコミュニティ――繰り返される挫折、更新される民主主義
 第2節 アリンスキーの展望――新たな多数派をめぐって
 第3節 「ラディカル」の再定義
 第4節 貫徹する民主主義――ラディカル・デモクラシーに向けて
 第5節 実践と理論――対話と継承

第5章 コミュニティからの挑戦
 第1節 アリンスキーとプラグマティズム
 第2節 「アリンスキーを読む」――ふたたび、実践と理論の対話
 第3節 ポピュリズムの伝統
 第4節 「アメリカ」の模索――過去と現在の間

終 章 アリンスキーの発見

あとがき
図表一覧
参考文献
人名索引
事項索引

著者略歴

著:石神 圭子
2012年 北海道大学法学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(法学)
現在 福岡女子大学国際文理学部国際教養学科専任講師

■主要業績
「コミュニティ・オーガナイジングとリベラリズムへの挑戦――産業地域財団による生活賃金運動をめぐって」『アメリカ太平洋研究』18号(2018年)
「アメリカにおける連邦制の成立と発展――20世紀アメリカの都市コミュニティと福祉政策をめぐるその効果」松尾秀哉ほか編『連邦制の逆説?』(ナカニシヤ出版、2016年)など

ISBN:9784832968547
出版社:北海道大学出版会
判型:A5
ページ数:328ページ
価格:6000円(本体)
発行年月日:2021年03月
発売日:2021年05月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB