吉原と江戸ことば考
著:棚橋 正博
紙版
内容紹介
江戸時代、吉原遊廓から多くの流行語や言い回しが生まれた。戯作者・山東京伝が作中で用いている「江戸ことば」から現代に残る言葉を採り上げ、その由来や当時の風俗・慣習・文化、社会的・経済的背景を考察する。
目次
第一章 現代も株世界で生きる「提灯を付ける」と江戸の遊里語「付き馬」
第二章 江戸言葉「いざこざ」の略語「いざ」と遊廓吉原は略語の本場
第三章 山東京伝の作品にみえる江戸の「いざこざ」と上方の「いざこざ」
第四章 「いざこざ」は江戸生まれで短縮語「いざ」は吉原生まれ
第五章 近世語「いき」「すい」「つう」「やぼ」「りがちとう」の略語「ありが」
第六章 江戸の吉原言葉であった「気ざわり」「きざ」と「ざんす」
第七章 「泥」にまつわる江戸語と上方語にみる「ごみ」から「泥臭い」
第八章 「泥」という言葉の意味はゴミから離れ「泥臭い」と「泥棒」「泥町」へと拡がる
第九章 「泥」「泥町」と呼ばれた京都伏見の遊廓や江戸吉原へ資本は動く
第一〇章 遠山金四郎景元が株仲間解散で経済破綻させても生きのびる「泥町」「柳町」
第一一章 商業資本主義社会における棄捐令による混乱では言葉は生まれない
第一二章 江戸の商業資本主義社会で札差が支えた遊廓の興亡と流行語
第一三章 商業資本が投資された廓町を「ひやかし」客たちはどう見ていたか
第一四章 「いさくさ」と「ありが」「気ざわり」と「キザ」「泥臭い」
第一五章 現代も生きる「チャキチャキ」は江戸生まれではなく上方語
第一六章 江戸生まれで現代も使われている「てこずる」