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獣医公衆衛生学

編:獣医公衆衛生学教育研修協議会

紙版

内容紹介

『獣医公衆衛生学Ⅰ』、『獣医公衆衛生学Ⅱ』(2014年刊)を全面改訂。改訂に伴い1冊にまとめ,さらにコアカリに準拠するよう編集した獣医公衆衛生学のテキスト。各分野のエキスパートが最新情報をもとに執筆した必携の書です。

近年のグローバル化に伴い,国境を超える人や物などの移動が急速に拡大しています.さらに,地球温暖化や乱開発により,動植物の生態系も変化し始めており,これらの影響は人や動物を宿主とする伝染性病原体の分布や伝播にも大きく関係し,今までわが国には無縁と思われていた外来微生物による感染症(越境性感染症)の侵入リスクが急激に高まってきました.2019年に中国で発生した新型コロナウイルスによる感染が渡航者によって短期間に世界中に伝播したことは記憶に新しい事例です.さらに,「食の安全」の確保も社会(消費者)の関心を集めており,国外で生産され,わが国に輸入される食品だけでなく,国内で生産・消費される食品においても,食品衛生管理の国際基準である危害要因分析重要管理点方式(HACCP)による高度衛生管理が不可欠となっています.
 このようなダイナミックかつグローバルに変化する公衆衛生分野の諸課題に取り組むためには,行政対応に係る立案,感染ルートの解明や拡大予測を行う疫学研究,適切な対策を講じることのできる危機管理能力を備え,さらに実践力を併せ持つ公衆衛生獣医師の養成が強く求められています.本書が学部教育だけでなく卒後教育にも活用いただければ幸甚です.(「はじめに」より一部抜粋)

目次

略目次
公衆衛生学総論
第1章 獣医公衆衛生学の考え方と概要,第2章 獣医公衆衛生学の役割,第3章 リスクとリスクアナリシス,第4章 公衆衛生行政
食品衛生学
第1章 食品衛生の概要,第2章 細菌性食中毒,第3章 ウイルス性食中毒,第4章 寄生虫性・原虫性食中毒,第5章 自然毒,第6章 有害物質による食品汚染と健康障害,第7章 食品添加物,第8章 生体反応により生じる食品の有害性,第9章 食品の腐敗・変敗とその防止,第10章 食品の規格と表示,第11章 食品衛生管理,第12章 乳および乳製品の衛生,第13章 食肉および食鳥肉の衛生,第14章 食卵の衛生,第15章 魚介類の衛生,第16章 野菜および果物の衛生,第17章 食品の機能性
人獣共通感染症学
第1章 人獣共通感染症学の概要,第2章 各種動物から伝播する人獣共通感染症,第3章 ウイルスおよびプリオンによる人獣共通感染症,第4章 リケッチアおよびクラミジアによる人獣共通感染症,第5章 細菌による人獣共通感染症,第6章 真菌による人獣共通感染症,第7章 原虫による人獣共通感染症,第8章 寄生虫による人獣共通感染症
環境衛生学
第1章 環境衛生の概要,第2章 自然環境,第3章 生活環境Ⅰ(水),第4章 生活環境Ⅱ(空気),第5章 生活環境Ⅲ(廃棄物),第6章 地域環境(公害),第7章 地球環境,第8章 化学物質と放射性物質,第9章 衛生動物

ISBN:9784830032899
出版社:文永堂出版
判型:B5
ページ数:496ページ
定価:12500円(本体)
発行年月日:2024年03月
発売日:2024年03月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MZ