出版書誌データベース

明治～大正初期に外交官・貴族院議員として活躍した吉川重吉の自叙伝と関連史料を収録。毛利家に連なる大名家に生まれ、青少年時代をアメリカで過ごした、特異の経歴の人物には、明治期の社会や制度はどう映ったのか。

【目次】
故男爵吉川重吉卿自叙伝
年　譜　略
THE AUTOBIOGRAPHY OF Baron C. Kikkawa
家　憲〔吉川家当主の婚姻、家督相続、家政の基本的な仕組みを細かく規定したもの。未発表史料〕
総裁吉川男爵御講話〔大正２年、吉川家岩国邸で行われた保勝会での講演内容〕
吉川重吉発信書簡〔井上馨宛、三島弥太郎宛〕
【解説】『故男爵吉川重吉卿自叙伝』（内山一幸）
付
ハーバード大学所蔵吉川重吉書簡について――知られざる日米交流の痕跡（小川原正道）
吉川重吉議員活動年譜
吉川重吉を語る（吉川重昭・和田昭允・伊藤隆）

編著：尚友倶楽部
旧貴族院の会派「研究会」所属議員により1928年に設立された公益事業団体。学術研究助成、日本近代史関係資料の調査・研究に取り組んでいる。その成果は、『品川弥二郎関係文書』『山県有朋関係文書』『三島弥太郎関係文書』『阪谷芳郎東京市長日記』『田健治郎日記』など30冊以上の資料集として出版されている。

編著：内山　一幸
1974年静岡県生まれ。福岡県立福岡高等学校、九州大学文学部史学科卒業、九州大学大学院比較社会文化研究科博士課程単位取得退学。現在、福岡大学、北九州市立大学などで非常勤講師を務める。論文に「旧藩主家における意思決定と家憲」(『九州史学』146号、2006年) 、「明治前期における大名華族の意識と行動」(『日本史研究』576号、2010年)など。