二重スリット実験
量子世界の実在に、どこまで迫れるか
著:アニル・アナンサスワーミー
訳:藤田貢崇
紙版
内容紹介
エレガントな実験で、愉しむ量子力学
電子や光子などの小さな粒子は、二つのスリット(穴)を《同時に》通り抜けているように見える――
物理学者たちを悩ませ続ける量子のふるまいは、どのように明らかにされ、どんな研究が行われているのか?
アインシュタインの思考実験から、現代の技術で改良を重ねた進化版まで、量子力学を発展させたさまざまな二重スリット実験を通して、隠れた世界の根源をあぶり出す。
目次
第1章 二つ穴の実験について―リチャード・ファインマン、核心部の謎を説明する
第2章 「存在する」とはどういうことか?―実在へ向かう道《コペンハーゲン発・ブリュッセル行き》
第3章 実在と認識のあいだ―二重スリットを通す、光子一つひとつ
第4章 神聖なる記述より―不気味な遠隔作用についての啓示
第5章 消すべきか、消さざるべきか―山頂での実験が導く
第6章 ボーミアン・ラプソディー―明確なかたちで進化していく明確な実在論
第7章 重力は量子の猫を殺すか?―時空を系に追加した場合
第8章 醜い傷を癒す―多世界解釈という薬