100種類以上の昆虫に、1000回以上刺されてわかったことを詰め込んだ昆虫エッセイ
ちまたを騒がせるヒアリ、夏の風物詩スズメバチとアシナガバチ、刺されたら最も痛いサシハリアリ……お馴染みの面々から、外国の恐ろしいハチ・アリまで実際に刺されたシュミット博士。
その痛みを毒液や生態と関連させるというユニークな手法で、刺されると一番痛い昆虫、痛みの原因となる物質、ハチ・アリ類の防衛戦略と社会性の発達……素朴なギモンから深遠な進化の歴史まで、ハチとアリの知られざる一面を明かしていきます。
:::::虫刺されの痛さの尺度「シュミット指数」:::::
虫刺されという現象の基本特性は「毒性」と「痛み」。毒性は生理学や毒性学の範囲だが、「痛み」は? ながらく虫刺されの痛みが科学研究の対象になっていなかったことに気づいた著者は、自ら刺され、その痛みを記録することを考案。痛みの強度をレベル1からレベル4の4段階とし、セイヨウミツバチに刺されたときの痛みをレベル2として基準に据えました。この研究はそのユニークさから2015年にイグ・ノーベル賞を受賞しました。
:::::ハチ・アリ82種に刺されたときの痛さ一覧付き:::::
虫刺されの痛さをレベル1(弱)~4(強)にランク付けし、その痛さをユニークな記述で解説。
■ヒアリなんて、序の口!
・レベル1 ヒアリ――チクッとくる軽い痛み。
・レベル2 ホーネット(スズメバチの仲間)――ずしんとくる強烈な一撃。
・レベル3 シュウカクアリ――悶絶するほどの激痛が12時間以上続く。筋肉組織が次から次へとヒト食いバクテリアに破壊されていくみたいに。
・レベル4 サシハリアリ――目がくらむほどの強烈な痛み。かかとに三寸釘が刺さったまま、燃え盛る炭の上を歩いているような。
[付録より]
:::::本書への賛辞:::::
シュミットが「痛みの鑑定人」「毒針の王」と呼ばれるのも納得。サシハリアリからイエロージャケット(スズメバチの仲間)まで世界中の刺す虫の毒針を味わい尽くした著者は、このテーマにうってつけの人物だ。怖いもの見たさにハチを眺めてきた人には、科学と冒険と物語が絶妙にブレンドされた本書は必読である。
――エイミー・スチュワート『邪悪な虫』『ミミズの話』著者
本書を読んでいると、脚がムズムズし、耳元でブンブン羽音がするような錯覚におちいる。毒針昆虫の世界的権威がヒアリ、キラービー、イエロージャケットなど、さまざまなハチ・アリに刺された体験談を交えながら、進化の視点からその防衛戦略をひもとく。
――フランス・ドゥ・ヴァール『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』『道徳性の起源』著者