話題別コーパスが拓く日本語教育と日本語学
編:中俣 尚己
紙版
内容紹介
「ている」は食の話題よりも、ドラマ、アニメ、動画などの話題を話している時に多く出現する。間投助詞の「さ」は話題が難しくなると出現頻度が高まる。本書はこれまで扱われてこなかった「話題」に注目し、「話題の言語学」を開拓しようという挑戦である。編者らが構築した言語資源の解説と、日本語教育・日本語学の観点からの論考を収録。
執筆者:石川慎一郎、太田陽子、加藤恵梨、小口悠紀子、小西円、澤田浩子、清水由貴子、建石始、中俣尚己、橋本直幸、堀内仁、森篤嗣、山内博之
目次
まえがき
第1部
『日本語話題別会話コーパス:J-TOCC』と『話題別日本語語彙表』
プロジェクトの紹介と本書の構成
中俣尚己
『日本語話題別会話コーパス:J-TOCC』の解説
中俣尚己・太田陽子・加藤恵梨・澤田浩子・清水由貴子・森篤嗣
『話題別日本語語彙表』の解説
中俣尚己・小口悠紀子・小西円・建石始・堀内仁
話題別コーパスの独自性
話題と話者の関係を考える
石川慎一郎
第2部
話題と言語現象
話題と無助詞現象
清水由貴子
話題による「まあ」の使用傾向
加藤恵梨
話題・地域による自問発話の使用傾向
小西円
話題と助詞の出現頻度
間投助詞「さ」に注目して
中俣尚己
地域・性別によるオノマトペの使用傾向
太田陽子
第3部
話題と日本語教育
話題精通度と言語表現の出現傾向の関係
森篤嗣
日本語教材における話題の分布と難易度
橋本直幸
話題と統語的複雑さ
堀内仁
話題は類義語分析に使える
建石始
J-TOCC と『話題別日本語語彙表』を活用したタスクベースの日本語指導
小口悠紀子
話題を制する者は日本語教育を制す
山内博之
編者・執筆者紹介