はしがき
第1章 序論
1.1 問題の所在
1.1.1 個体対象および述語対象の関係節化
1.1.2 関係節化の空所が生じる環境と関係節のタイプ
1.2 関係節の統語構造 単一構造仮説の採用
1.3 生成文法統語論と形式意味論の融合
1.3.1 「原理とパラメーターのアプローチ」と合成的意味論
1.3.2 「命題」と論理形式 ‘LF’と‘lf’
1.4 本書の構成
第2章 補部の関係節の空所の述語性と先行詞の指示特性の問題
2.1 関係節の細分化 空所の性質
2.1.1 制限節と非制限節の意味機能の概観
2.1.2 長原(1990a)の補部の関係節とその問題点
2.1.3 先行詞の「外部・内部」解釈 Grosu and Landman(1998)の類型論
2.1.4 制限節と最大化関係節の意味機能の比較
2.1.5 叙述演算子による述語化と局地的な文脈からの関係節化
2.1.5.1 叙述演算子‘π’
2.1.5.2 局地的文脈と補部の関係節
2.2 名詞句の統語構造・意味論と定の述詞名詞句
2.2.1 補部ということ
2.2.2 DPの意味論 Abney(1987)
2.2.3 総称的概念を表す述詞DP
2.2.3.1 定の述詞DPの導出
2.2.3.2 Jespersen(1949)の「典型の‘the’」 ‘John is the gentleman’
2.2.3.3 述詞DPの内部に生じる限定詞の性質
2.3 空所に課される同一性の条件
2.3.1 同一性の条件とは何か
2.3.2 同一性の条件における「同一性」の概念
2.3.3 関係節の類型と同一性の条件
2.4 関係節の統語構造と先行詞の問題 河野(2012)の分析
2.4.1 河野(2012)の複数構造仮説
2.4.2 複数構造仮説の問題点と意味論の役割
2.5 本章のまとめ
第3章 命題らしい関係節
3.1 先行詞の内部解釈と代名詞的な空所
3.2 潜伏命題
3.3 潜伏疑問
3.4 空所の代名詞的変項 数量詞の作用域からの証拠
3.5 非制限節の命題らしさと関係詞の性質
3.6 補部の関係節と限定修飾・主語―述語関係
3.7 本章のまとめ
第4章 種―亜種関係と補部の一般的意味機能
4.1 種と亜種
4.1.1 Chierchia(1998b)の種とDKP
4.1.2 Dayal(2004)の個体の属性・亜種の属性
4.2 種―亜種関係と分類的形容詞の意味機能との共通点
4.2.1 渡辺(2004b)の複合的概念と総称的概念について
4.2.2 中澤(2014)の分割的弱限定的修飾
4.3 PP補部・PP付加詞と亜種
付録
4.4 本章のまとめ
第5章 述詞関係節の意味機能 亜種の属性と2項述語としての「述詞」DP
5.1 定先行詞の述詞関係節
5.1.1 Kind of関係節と「亜種の属性分析」
5.1.1.1 Kind of N先行詞の亜種のスロット‘kind’
5.1.1.2 亜種の述語解釈
5.1.2 Grosu and Krifka(2007)の亜種の属性分析の問題
5.1.3 空所に前提とされる亜種の外延
5.1.4 述詞関係節に対する「亜種の属性分析」
5.1.4.1 部分集合を定義する関係節
5.1.4.2 亜種の属性を含意する述詞DP
5.1.5 合成と再解釈 関係節から補部へ
5.1.5.1 「関係節」としての側面
5.1.5.2 「補部」の導出と「述詞」という概念の必要性
5.1.5.3 2項関係の「述詞」DPの必要性と意味的空所の説明
5.1.6 複数個体と単数的存在者の先行詞
5.1.6.1 複数個体を先行詞とする述詞関係節
5.1.6.2 単数的存在者を先行詞とする述詞関係節
5.2 不定先行詞の述詞関係節
5.2.1 不定先行詞の述詞関係節が生じ得る文脈
5.2.1.1 先行研究
5.2.1.2 提案
5.2.1.3 さらなるデータの観察と検証
5.2.2 不定先行詞と亜種の属性分析
5.2.3 述詞DPの不定冠詞a
5.2.3.1 Milsark(1977)による限定詞の分類
5.2.3.2 McCawley(1998)における不定冠詞の扱い
5.2.3.3 不定冠詞aと情況の複数性の説明
5.2.4 不定先行詞述詞関係節の命題らしさの導出
5.2.5 Hawkins(1978)のタイプとトークンによる説明の問題点
5.3 定・不定先行詞述詞関係節の断定性
5.4 本章のまとめ
第6章 Way/reason関係節の空所の述語分析と「イベント」
6.1 イベントを指示する2項関係の述語way/reason
6.1.1 様態・理由の副詞句内にある名詞句の述語性
6.1.2 イベントにより「内部から埋められる」ということ
6.1.3 Way/reasonにイベントを認める根拠
6.2 空所の亜種の属性と代名詞的な関係詞
6.3 「属性名詞」としてのway/reason
6.4 Way/reason関係節の論理形式と意味解釈
6.4.1 イベントを内項とする述語way/reasonの論理形式
6.4.2 Way/reason関係節の意味解釈と統語論の自律性の問題
6.5 「総称・存在」の読みの多義性
6.6 本章のまとめ
第7章 先行詞の指示特性の決定
7.1 先行詞の指示特性と限定詞D
7.1.1 限定詞Dと素性
7.1.2 空所のDと関係節のタイプ
7.1.3 空所の性質に基づく意味解釈
7.2 単一構造仮説の擁護
7.2.1 定・不定と類・個体の1対1対応関係の破棄
7.2.2 本書の分析の利点
7.3 本章のまとめ
第8章 空所の述語分析の一般化に向けて
8.1 Chierchia(1984)の「関数詞」と空所の述語分析
8.2 次元名詞・スケール名詞と述語の量化
8.2.1 個体の量化と述語の量化
8.2.2 次元名詞とスケールを表す抽象名詞
8.3 Instance/example/caseを先行詞とする関係節
8.4 空所の解釈と関係節のタイプの比較
8.5 本章のまとめ
第9章 名詞表現を先行詞の指示対象としない関係節
9.1 That/ゼロ形の時の関係節と関係副詞whenの時の関係節の比較
9.2 先行詞名詞の性質
9.2.1 Larson(1985, 1987)の分析
9.2.2 永井(1986–1987)の分析
9.3 時の副詞節と時制的特徴
9.3.1 時の副詞節と時の制限的関係節
9.3.2 明示的/非明示的な基準時と「同時性」の関係
9.4 That/ゼロ形の時の関係節の補部としての意味機能と統語構造
9.5 時制の副詞類
9.6 [Tns]要素を含んだ時制の副詞類とDP[Tns]分析
9.6.1 DP[Tns]
9.6.2 DP[Tns]分析の帰結
9.7 That/ゼロ形の時の関係節の「先行詞」
9.7.1 空所の性質と先行詞の指示対象
9.7.2 That/ゼロ形のみの使用と両者の使い分け
9.8 本章のまとめ
第10章 結論
10.1 本書の貢献と各章の結論の要約
10.2 残された課題と今後の展望
参考文献
索引