はしがき
〈展望〉
コーパスによる近代語の研究
田中牧郎
1 はじめに
2 『日本語歴史コーパス』の現在
3 『国定読本用語総覧』と『太陽コーパス』
4 『日本語歴史コーパス 明治・大正編』へ
5 『日本語歴史コーパス 明治・大正編Ⅰ雑誌』を使った研究
6 『日本語歴史コーパス 明治・大正編Ⅱ教科書』を使った研究
7 『 日本語歴史コーパス 明治・大正編Ⅲ明治初期口語資料』を使った
研究
8 近代語研究における計量的方法
9 前後の時代との接続と独自コーパスの作成
10 おわりに
近代語の資料とコーパス
橋本行洋
1 はじめに:多岐にわたるコーパスと言語研究への利用
2 『日本国語大辞典』以後のコーパス整備
3 コーパスによる語彙の用例収集と考察:「就職運動」と「就職活動」
4 漢字表記語の読み方:「雑談」
5 近代語資料におけるコーパス
6 おわりに:コーパスの活用と今後の展望
〈論文〉
[文法]
逆接仮定条件史におけるトテの位置づけ―近代文法史記述のあり方再考―
矢島正浩
1 はじめに
2 使用状況の確認
3 上接語から見るトテ類の用法史
4 まとめと課題
「開化啓蒙書」の逆接表現形式―「スタンダード言語」としての性質を探る―
宮内佐夜香
1 はじめに
2 本稿の目的
3 調査の方法
4 分析
5 おわりに
大正期の子供向け文章の語法 ―教科書と童話の関係―
小島聡子
1 はじめに
2 「標準語」教育と教科書・童話との関わりについて
3 接続詞に着目する理由について
4 調査対象の資料・コーパス
5 教科書と童話における接続詞の頻度と語
6 各資料間の類似度について:相関係数とクラスター分析
7 各資料と接続詞の関係について:対応分析
8 おわりに
[語彙]
明治・大正期の書き言葉における文体と語彙―順接の接続詞を例に―
近藤明日子
1 はじめに
2 研究で使用するコーパスとテキスト
3 順接の接続詞の抽出
4 順接の接続詞の語形と文章種類との対応関係
5 使用語形の通時的変化
6 おわりに
近代語彙の語種構成 ―時代差・文体差・読者差―
田中牧郎
1 はじめに
2 『日本語歴史コーパス』の語種構成比率の推移
3 延べ語数の語種統計の分析
4 総合雑誌の全体の語種構成の変化
5 総合雑誌のレベル別の語種構成とその変化
6 文体差と語種構成
7 読者差と語種構成
8 語種構成から見た近代語彙
9 今後の課題
[表記]
近代の和語における意味と表記の結びつきの変化―動詞アウを事例に―
髙橋雄太
1 はじめに
2 調査資料
3 近代におけるアウの表記と意味
4 アウの用例分析
5 アウと「逢」「會」「遇」「遭」の関係
6 まとめ
近現代漢語における異表記の実態と変化
間淵洋子
1 はじめに
2 先行研究の整理と本稿の課題設定
3 研究方法
4 分析
5 考察
6 おわりに
コーパスによる言語変化の実時間研究―検定問題と異体字問題―
横山詔一
1 はじめに
2 漢字使用頻度の経年変化を調べる
3 コーパスの異体字問題
4 まとめ
[資料]
『上方はなしコーパス』について ―近代大阪方言の速記落語―
竹村明日香
1 はじめに
2 『上方はなし』と5 代目笑福亭松鶴について
3 『上方はなしコーパス』の概要
4 仕様
5 利用手順:初期設定(Windows 用)
6 検索方法
7 応用的な検索
8 保存
9 まとめと今後の課題
近代語資料としての『史談会速記録』
岡島昭浩
1 座談会の速記
2 史談会速記録
3 同内容の速記録
4 おわりに
「言語記事データベース」について
新野直哉
1 はじめに
2 「言語記事データベース」の意義と概要
3 「新聞記事データベース」の意義と概要
4 「雑誌記事データベース」の概要
5 データベースに収録されている記事
6 おわりに
〈解説〉
『日本語歴史コーパス 明治・大正編』の構成―データと公開形態―
小木曽智信
1 はじめに
2 「明治・大正編」収録資料の由来
3 「明治・大正編」への形態論情報の付与
4 「明治・大正編」の形態論情報
5 「明治・大正編」の公開形態
6 「中納言」による短単位検索
7 検索結果の利用方法
8 おわりに
『日本語歴史コーパス 明治・大正編Ⅰ雑誌』解説
間淵洋子・近藤明日子
1 はじめに
2 収録資料と言語量
3 コーパスのテキストの仕様
4 アノテーション
5 おわりに
『日本語歴史コーパス 明治・大正編Ⅱ教科書』解説
服部紀子
1 はじめに
2 近代語資料としての国定国語教科書
3 コーパスの概要
4 テキスト作成の方針
5 「中納言」における表示項目
6 おわりに
『日本語歴史コーパス 明治・大正編Ⅲ明治初期口語資料』解説
近藤明日子
1 はじめに
2 コーパスの構築目的と収録資料
3 コーパスのテキストの仕様
4 アノテーション
5 基本言語量と収録資料の特徴
6 おわりに
索引
執筆者紹介