出版社を探す

翼竜のたまご ステンレスは建築の絵の具だ

著:坂上 直哉

紙版

内容紹介

芸大を卒業後、「ステンレスで絵を描きたい」と企業の門をたたいた異色のアーティスト。ステンレスが透明になる? ステンレスが虹色に染まる? 一枚の絵から建築空間、 そして土木と数々のワークを通して熱く語るステンレスの魅力!

坂上さんはステンレスを、彫刻の素材としたばかりでなく、立体絵画の「絵の具」として自在に使う技を編み、表現の幅を圧倒的に広げた……アーティストゆえの表現の可能性の追求は、結果としてステンレスの活用の可能性を高めて来た……それは、工場を持つ企業とアーティストが両方いて初めて成立するものなのである。これまでにこの世に存在したアートの素材の中に、そんなものはほとんどなかった……そして、それ以前にはありえなかった“ステンレス文化”が花開いた……アーティストは、子どものような遊び心と飽くなき探究心、夢中になる力、卵の殻を破る生命力などさまざまな力を持っているものだ。実はそれらは、企業、そして社会全体が必要としているものなのではないだろうか(本文より)
──── 美術評論家・小川敦生

目次

■プロローグ 『翼竜のたまご』誕生
■第1章 ステンレスで絵を描きたい
1.企業の門を叩いて 2.光りモノが好きだった 3.ステンレスの絵の具は光だった 4.四天王寺『映し曼陀羅』
■第2章 企業の技術でアート表現を
1.縄文と弥生 2.ゆらぎを生み出す線と面 3.正反射と拡散反射 4.イルージョン空間 5.透明なステンレス 6.虹色に染める 7.ゆらぐ色ゆらがない色 8.肌合いと風合い
■第3章 企業の中のアーティスト
1.たいまつをかかげて波を呼ぶ 2.企業とWin-Winの関係を築こう 3.企業をアトリエに 4.川上と川下をつなぐジョーカー 5.ほどよい孵卵器 ◆対談(日新製鋼・三喜社長×坂上直哉)
■第4章 日本発のステンレス文化
1.『翼竜のたまご』が孵る 2.和紙、漆、和木との相性 3.日本人の心をのせて 4.すべては天球院障壁画から
■ステンレス文化論 初めに素材ありき (美術ジャーナリスト 小川敦生)

著者略歴

著:坂上 直哉
建築美術工芸家。1947年東京生まれ。東京藝術大学美術学部絵画科卒業。日新製鋼に入社し、アーティストの立場から、ステンレス製品の開発に携わる。四天王寺講堂の曼荼羅、青山子供の城の壁画、中京大学ホールの「翼竜の卵」、羽田空港第一ターミナル到着ロビーのオブジェなど、ステンレス独自の色彩を取り込んだ作品多数。

ISBN:9784822250683
出版社:日経BP
判型:B5
ページ数:168ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2017年06月
発売日:2017年06月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WFS