第1章 もしものときの初期対応
最初に行う観察
気道の確保
意識状態の確認
回復体位
心肺蘇生
圧迫止血
RICE処置
脱水症状
問診
第2章 場面別応急処置52シーン
症状もくじ
傷病名もくじ
●失神している！
・音楽ライブ会場で失神した20代の女性。意識は取り戻したけれど、「気分が悪い」と言っている。［迷⾛神経反射］
・授業中、男子学生が「心臓の鼓動がおかしい」と言って倒れた。脈が乱れている。［⼼原性失神］
●意識障害がある！
・在宅酸素療法中の祖父。今日は元気がない。声をかけても返事がなく、呼吸がすごく遅い。［CO2ナルコーシス］
・結婚式の披露宴で、高齢男性が座ったままいびきをかいている。声をかけたが、反応がない。［脳血管障害］
●頭が痛い！
・ボクシングの試合観戦に熱中していた60代男性が、激しい頭痛を訴え、嘔吐し始めた。［脳血管障害］
・祖母とテレビを観ていたら、「顔が麻痺してお茶が口からこぼれる」と言い出した。［脳血管障害］
・温泉から上がってきた父が「頭痛がする」と言う。血圧を測ったら、200/120mmHgと表示された。［高血圧緊急症］
●痙攣している！
・オフィスビルの前で中年の男性が倒れていて、全身けいれんを起こしている。呼びかけても意識がない。［てんかん発作］
・熱があったので保育園を休ませていた子どもが、自宅でけいれんを起こし始めた。［熱性痙攣］
●めまいがする！
・駅のトイレで高齢の女性がうずくまっている。「めまいがして動けない」と言っている。［末梢性めまい］
・公園でゲートボールをしていた高齢男性。「めまいがする」「手足がしびれる」と言って、しんどそう。［中枢性めまい］
●息が苦しい！
・同居している73歳の祖父。顔色が悪くて、「横になると息が苦しい」と言っている。［⼼不全急性増悪］
・60代女性。避難所生活が続いている。トイレに行こうと立ち上がり、1・2歩進むと急に顔色が悪くなり、苦しそうに倒れ込んだ。［肺塞栓］
・高速バスの車内で、30代くらいの男性が、おかしな呼吸をしていて苦しみ出した。［喘息発作］
・地下鉄の改札でしゃがみこむ高齢の女性。杖に寄りかかり、肩で息をしている。唇の色がよくない。［呼吸困難］
・遊園地でおそるおそる観覧車に乗った友達（10代女性）が、突然「息が苦しい」と言い出した。［過換気症候群］
・70歳になったおじいちゃん。古希祝いをしようと、家族でステーキハウスに行った。食事中、おじいちゃんが急に苦しみ出した。［窒息］
●熱がある！
・昨日から38度台の熱とのどの痛みがあって、つばが飲み込みにくい。コロナのPCR検査は陰性だった。［急性喉頭蓋炎］
・食事中にむせることが多くなった祖父。昨日から痰が絡んでいて、熱もある。［誤嚥性肺炎］
●顔色が悪い！
・ダイエットに励んでいる姉の顔色が悪い。「どうしたの?」と尋ねると、「ちょっとフラフラする」と言う。［鉄欠乏性貧血］
●気分が悪い！
・テニスをしていた40代男性。気分が悪そうで「冷や汗が出てる」と言う。糖尿病でインスリンの自己注射をしているらしい。［低血糖］
・真夏の屋外フリーマーケットに出店していた20代の女性。「頭痛と吐き気がする」と言い、座り込んでしまった。［熱中症］
●吐き気がする！
・お店の隣席で、仲間と飲み勝負をしていた20代の女性が、トイレに入ったまま中で動けなくなっている。［急性アルコール中毒］
・面接に来た女子学生が、泣きながら「吐き気が止まらない」と言っている。でも熱はないみたい。［急性胃腸炎］
・自宅でくつろいでいた20代の男性。昨日の夜から吐き気がして、何度かもどした。お腹が痛いし、熱もある。［虫垂炎］
●お腹が痛い！
・在宅療養中の82歳男性。いつもの活気がなく、「お腹が痛い」と言っている。［消化管穿孔・腹膜炎］
・夕食の後、53歳の母が「みぞおちから肋骨の右下あたりが痛い」と言い出した。熱も出ている。［胆石症］
・夫がひどい下痢をしている。2日前に会社で宴会があり、同僚も同じ症状だという。まだトイレから出てこない。［感染性胃腸炎］
●胸が痛い！
・中古車に試乗していたら、助手席の50代男性店員が「胸が痛い」と苦しみ出した。顔色が悪い。［急性冠症候群］
・コンビニで、近所のおじいさんに会った。昨夜ベッドから落ち、その後、息をするたびに胸が痛いと言う。［肋軟骨骨折］
●動悸がする！
・スーパーの見切り品売り場で、50歳くらいの女性が不安そうに「動悸が止まらないの」と話しかけてきた。［頻脈性不整脈］
・駅のホームでぶつぶつしゃべっている60歳くらいの男性。突然、「ICDが!」と声を上げうずくまった。［植え込み型除細動器の作動］
・商店街の路上でうずくまる20代の女性。「カバンに入っている薬を飲ませてほしい」と言っている。［パニック障害］
●骨・関節・筋肉痛！
・野球の試合中、ファウルボールが観客席に飛び込み、応援団長の右目に当たった。［眼窩骨折］
・散歩中の犬がタヌキを見つけて走り出し、飼い主の40代女性が転倒。左手首の痛みがひどいという。［橈骨遠位端骨折］
・休日のテニス中に足首をひねった。痛くて歩くのがつらいし、明日は有休にしていいかな?と考えてみる30代男性。［足関節捻挫］
・患者の体位変換をしたら腰に痛みが走り、動けなくなった40代の女性看護師。［急性腰痛症］
・娘の運動会に参加し、パン食い競争で足をつった40代の男性。うぐいすパンをくわえたまま動けない。［有痛性筋痙攣］
●出血している！
・部屋でウサギとリスに追いかけられていた9歳の甥っ子が窓に激突、ガラス片が前腕に刺さった。［異物刺創］
・魚をくわえた野良ねこを追っかけていた24歳の主婦。頭を電柱にぶつけ、出血している。［頭部外傷］
・振り返ったら子熊がいた。友達の顔をひっかいて逃げて行った。［裂傷］
・自転車2人乗りの高校生。農家の軽トラックと接触し、畑に突っ込んだ。1人が膝から血を流している。［擦過症］
・えっ、お父さん？こんな夜中に…それ鼻血?［鼻出血］
●やけどをしている！
・酔っ払って帰宅した夫がカップやきそばの湯切りに失敗し、自分の手にかけてしまった。［局所熱傷］
・風呂場で遊んでいた弟を連れ出そうとした10歳の男児が、誤って熱湯を全身に浴びてしまった。［広範囲熱傷］
・雷雨の中、公園の前を通りかかると大木から煙が出ていて、その下に男性が倒れていた。［雷撃症］
●凍えている！
・真冬の深夜、民家のまばらな県道をフラフラと歩く、全身がびしょ濡れの白い服を着た女性。［低体温症］
●咬まれた・刺された！
・キャンプ場にいたグループがスズメバチに襲われた。何人かが刺され、しばらくして30代の男性が倒れた。［蜂刺傷］
・夏ももう終わり。そうだ、海へ行こう!早朝、誰もいない美しい砂浜。青空の下で波間に身を委ねた。クラゲに刺された。［クラゲ刺症］
・マムシ酒ってどんな味がするんだろう?さっそく山へマムシを捕りに行った。怒ったマムシに指を咬まれた。［マムシ咬症］
●アレルギー！
・もらったお菓子を食べた６歳の男児。顔が腫れ、口がかゆいと言う。親は「ナッツを食べた？」と心配そう。［アレルギー］
●中毒を起こした！
・ずっと既読にならないので心配して家に行くと、友達が吐いたまま寝ていた。ベッドの横には空の薬瓶があった。［薬物中毒］
