SB新書
日本人が知らない近現代史の虚妄
著:江崎道朗
内容紹介
インテリジェンス・ヒストリーで近現代史を見直す
アメリカやヨーロッパで近現代史の見直しが進んでいる。「ヴェノナ文書」や、「リッツキドニー文書」といった機密文書の情報公開などにより、様々な事実が明らかになってきている。インテリジェンス・ヒストリーと呼ばれるジャンルが、これまでの歴史認識をアップデートしているのである。一方で、日本人はいまだに従来までの歴史観にとらわれている。本書は近現代史認識のグローバルトレンドをとらえ、国際社会で通用するために必須の知識が身に付く一冊である。
目次
はじめに
第一章 冷戦終結と共に始まったヨーロッパの近現代史見直し
戦勝国のソ連も悪かった?
きっかけはベルリンの壁の崩壊
ソ連による「戦争犯罪」と、戦後の「人権弾圧」を告発する戦争資料館
ソ連軍によるポーランド将校虐殺事件を黙認した連合国
一九四三年四月 カティンの森事件【通説】【見直し】
立場をころころと変えるソ連
一九四一年六月 ドイツが独ソ不可侵条約を破棄【通説】【見直し】
ドイツとソ連から踏みにじられたポーランド
一九四四年八月 ワルシャワ蜂起【通説】【見直し】
第二章 独ソの戦争責任追及から始まった東欧「民主」革命
一九五六年のハンガリー革命と独立戦争
ドイツ映画『僕たちは希望という名の列車に乗った』の意味すること
バルト三国の「人間の鎖」運動
ヤルタ会談でソ連の侵略を容認したルーズヴェルト
一九四一年八月 大西洋憲章 【通説】【見直し】
ヤルタ合意を謝罪したブッシュ大統領
第三章 ソ連と共産主義の責任を追及する欧州議会
第二次世界大戦勃発八十年で欧州議会が決議
一九四一年十一月 ニュルンベルク裁判【通説】【見直し】
共産主義に対する裁判を求める国際アピール
ソ連・共産主義の「犯罪」を教えよう
欧州議会とロシアで対立する歴史観
戦勝国史観は破綻しつつある
樋口中将の功績を後世に伝えよう
第四章 「強い日本派」と「弱い日本派」
初代国連大使の叫び
アメリカは一枚岩ではない
ニューディール連合
一九三七年十月 ルーズヴェルト米大統領の隔離演説【通説】【見直し】
日中和平交渉を妨害したソ連
一九三七年七月 日中戦争開始【通説】【見直し】
外務省、陸軍、海軍に浸透していた親ソ派
ソ連こそ理想を目指す国という誤解
第五章 東京裁判は間違いだった?
ルーズヴェルトの国際秩序構想の挫折
東京裁判と国際法
パリ不戦条約で合意されたこと
自衛か侵略かの認定の問題は「裁判に付し得ない」
マッカーシーの告発とその失敗
第六章 ヴェノナ文書と米国共産党調書
モスクワで公開された「リッツキドニー文書」
リッツキドニー文書からヴェノナ文書公開へ
アメリカ以外も機密文書を公開
「インテリジェンス・ヒストリー」という知的武器
米国共産党調書
日米の対立を煽り、敗戦革命を引き起こせ
統一戦線工作
シナ事変を契機に本格化した反日宣伝活動
一九三八年八月 アメリカで日本の対中政策への非難が強まる【通説】【見直し】
第七章 変わりゆく「リメンバー・パールハーバー」
誰がアメリカで反日を煽ったのか
一九四一年 四月 JB355(日本本土爆撃)計画【通説】【見直し】
在米日本資産凍結
一九四一年七月 アメリカが在米日本資産を凍結
スターリンの工作員
一九四一年十一月 ハル・ノート【通説】【見直し】
日米は共に国益を追求した
一九四一年十二月 真珠湾攻撃【通説】【見直し】
第八章 敗戦後の日本の命運は誰が決めたのか
ソ連の圧倒的な一人勝ち
一九四五年二月 ヤルタ会談【通説】【見直し】
アメリカ外交団を仕切ったアルジャー・ヒス
マンハッタン計画に参加していたソ連の工作員
一九四二年十月 マンハッタン計画【通説】【見直し】
CIAの前身は、ソ連の工作員の巣だったOSS
日本を降伏させるな
一九四五年五月 ドイツ降伏と無条件降伏【通説】【見直し】
日本は無条件降伏をしていない
重光葵の奮闘
一九四五年八月 日本がポツダム宣言を受諾【通説】【見直し】
トルーマン政権下で「弱い日本派」が台頭
中国の建国と朝鮮戦争が転機だった
一九五〇年六月 朝鮮戦争勃発【通説】【見直し】
おわりに──頼りになる同盟国になれば近現代史の評価も変わってくる
ISBN:9784815611828
。出版社:SBクリエイティブ
。判型:新書
。ページ数:264ページ
。定価:900円(本体)
。発行年月日:2021年12月
。発売日:2021年12月08日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHB。