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映像と旅する教育学

歴史・経験のトビラをひらく

著:倉石一郎

紙版

内容紹介

教育への問いは諸社会の歴史、人間のあり方そのものを問い直す旅につながる。本書は、映画やドキュメンタリー、ドラマ等の映像資料から、教育学の諸問題へ橋渡しをはかる入門書である。ジェンダーやマイノリティ、特別支援教育やいじめ問題など近年注目のテーマをカバーする。

目次

〈第Ⅰ部 光の学校/カゲの学校〉

第1講 用務員室とスホムリンスキー【学習塾は本当に教育界の「日陰者」なのか】
     …森絵都『みかづき』

第2講 分断とサンクチュアリ【出会うはずのない者が集ったとき何が起こるか】
     …『ブレックファスト・クラブ』

〈第Ⅱ部 分ける教育/分けない教育〉

第3講 「七つの子」とユリの弁当箱【男女別学/共学の深くて浅いワケ】
     …壺井栄『二十四の瞳』

第4講 分けない教育とヴァルネラビリティ【告白の主語はやはり「私」ではないか?】
     …島崎藤村『破戒』

第5講 救貧院と南北戦争【サリヴァン先生がなぜ「奇跡の人」になり得たのか】
     …『奇跡の人』

〈第Ⅲ部 社会としての学校/社会のなかの学校〉

第6講 疎開と福祉【子ども同士の世界にはなぜ暴力が充満するのか】
     …『少年時代』(柏原兵三原作『長い道』)

第7講 無償化と脱統制【教科書無償闘争はなぜ顧みられないのか】
     …高知追手前高校部落問題研究部『たたかいは炎のように』

第8講 綴方と世間【ありのままを書くことはなぜ大人に不都合を起こすのか】
     …豊田正子『綴方教室』

〈第Ⅳ部 良い生/悪い生/唯の生〉

第9講 夜尿症と揚げパン【なぜ私たちは「良き生」への執着を手放しがたいのか】
     …中脇初枝『きみはいい子』

第10講 社会的オジと安保闘争【何も生産しないコペル君は何を与えているのか】
     …吉野源三郎『君たちはどう生きるか』・萩原慎一郎『滑走路:歌集』

著者略歴

著:倉石一郎
倉石一郎(くらいし・いちろう)1970年生。京都大学大学院人間・環境学研究科教授。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。専門は教育学・教育社会学、とくにマイノリティの教育。

ISBN:9784812223109
出版社:昭和堂
判型:A5
ページ数:296ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2024年04月
発売日:2024年04月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNA