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愉楽の経済学

マルサスの思想的水脈を辿って

編:柳田芳伸

紙版

内容紹介

生活における快適さ"comfort"は時代によってどのように変遷してきたか。マルサスが唱えた愉楽の標準(standard of comfort)を軸に、J.ステュアート以降、J.S.ミル、マーシャル、ヴェブレン、ロバートソンなど9人の経済学者たちの思索を辿る。

目次

序 章 「愉楽の標準」と経済学者たち 柳田芳伸
第1章 奢侈的な豊かさは幸福を意味するか
 ――J.ステュアートの嗜好の標準と生存の標準 古谷豊
第2章 ウィリアム・ペイリーの幸福概念 柳沢哲哉
第3章 デュガルド・スチュアートにおける 「動機づけ」の政策思想
 ――「愉楽の標準」に焦点を当てて 荒井智行
第4章 マルサスにおける「貧窮の標準」と「愉楽の標準」
 ――「便宜と愉楽に対する嗜好」を手掛かりにして
柳田芳伸
第5章 J.S.ミルの『経済学原理』における幸福と適度な「快適の標準」
 ――多様な私有財産制の可能性と政府の役割 小沢佳史
第6章 マーシャルの生活標準への途
 ――進歩の源泉を求めて 近藤真司
第7章 ゆたかさと不平等分配
 ――ヴェブレンにおける「品位の標準」が意味するもの
石田教子
第8章 余剰と余暇
 ――ホブスンにおける分配の人間的原理 尾崎邦博
第9章 経済の進歩、変動、格差
 ――ロバートソンにおける「安楽の標準」と「生活の標準」 仲北浦淳基

著者略歴

編:柳田芳伸
長崎県立大学名誉教授。経済学博士(京都大学)。専門は、人口論、経済思想史(とくにマルサス)。著書に、『マルサス勤労階級論の展開』(昭和堂、1998年)、『マルサス派の経済学者たち』(共著、日本経済評論社、2000年)、『マルサスと同時代人たち』(共編、日本経済評論社、2006年)、『マルサス ミル マーシャル―人間と富の経済思想』(共編、昭和堂、2013年)、『マルサス人口論事典』(責任編集、昭和堂、2016年)、『埋もれし近代日本の経済学者たち』(編著、昭和堂、2018年)等がある。

ISBN:9784812222164
出版社:昭和堂
判型:A5
ページ数:288ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2023年05月
発売日:2023年05月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCA