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軍事研究を哲学する

科学技術とデュアルユース

編:出口康夫
編:大庭弘継

紙版

内容紹介

AI搭載のロボットやドローンと自律型兵器、サイバー攻撃とサイバーセキュリティ、生命科学と生物兵器。そして開発当初から軍民の境界が曖昧な原子力と宇宙利用……。今日、私たちは軍民両用(デュアルユース)技術が氾濫する社会のただなかに、すでに生きている。本書は、こうした先端技術(エマージングテクノロジー)の社会実装がもたらす倫理的・法的・社会的諸問題「ELSI」に、文理の垣根を越えた「総合知」で挑む。

目次

序 論 デュアルユースとELSIに取り組む総合知にむけて(出口康夫)

第Ⅰ部 歴史から考える

  第1章 歴史学的手法で論点を整理する(喜多千草)
  第2章 学術会議声明、そのビフォー・アフター(玉澤春史)
  コラム① 軍事研究と基礎研究(本田康二郎)
  コラム② 十五年戦争期の日本の医学犯罪は「戦争の狂気」のせいか?(土屋貴志)
  コラム③ 論理学と軍事(村上祐子)

第Ⅱ部 個別の技術から考える

  第3章 原子力のデュアルユース問題は単純か(濱村 仁)
  第4章 宇宙開発・利用とデュアルユース(橋本靖明)
  第5章 先端生命科学研究――微生物学研究と生物兵器開発の境界(四ノ宮成祥)
  第6章 サイバーセキュリティとデュアルユース性(荻野 司)
  第7章 自律型兵器と戦争の変容(久木田水生)
  コラム④ 先端生命科学と情報技術の進展(井出和希)

第Ⅲ部 哲学・倫理学から考える

  第8章 功利主義と軍事研究(伊勢田哲治)
  第9章 デュアルユースは倫理的ジレンマの問題か――研究の自由と制限(神崎宣次)
  第10章 正戦論の研究は、すなわち軍事研究なのか(眞嶋俊造)
  第11章 学術と安全保障の折り合いをつける――日本学術会議声明を受けて(大庭弘継)
  第12章 デュアルユースからミックスドユースへ(出口康夫)

  あとがき(出口康夫・大庭弘継)

著者略歴

編:出口康夫
京都大学大学院文学研究科教授
編:大庭弘継
京都大学大学院文学研究科研究員

ISBN:9784812221297
出版社:昭和堂
判型:A5
ページ数:354ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2022年08月
発売日:2022年08月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JW