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セルフコントロールを育てる心理学

著:空間美智子

紙版

内容紹介

実験的行動分析学の立場から、報酬の価値割引の枠組みを用い、セルフコントロールの発達過程を定量的に分析。これまでの研究成果を概観した上で、児童用質問紙の開発を通して得られた調査研究の結果をもとに、児童期のセルフコントロールの発達過程について新たなモデルを提案する。

目次

第1章 セルフコントロールの発達
1.1 セルフコントロールの発達の研究の歴史
1.1.1 認知発達からのアプローチ
1.1.2 行動分析学からのアプローチ
1.2 認知と道徳性の発達
 1.2.1 認知の発達
 1.2.2 道徳性の発達
1.3 行動分析学における発達の見方
1.4 本研究の目的

第2章 子どものセルフコントロールの実験研究
2.1 満足の遅延パラダイム
 2.1.1 満足の遅延実験とセルフコントロール
 2.1.2 ホット/クールシステムモデル
 2.1.3 満足の遅延の発達的変化
2.2 選択行動研究パラダイム
 2.2.1 選択行動としてのセルフコントロールと衝動性
 2.2.2 オペラント条件づけを用いたセルフコントロール実験
 2.2.3 セルフコントロールの発達の2段階説

第3章 子どものセルフコントロールと遅延割引
3.1 セルフコントロールと遅延割引
 3.1.1 遅延割引とは
 3.1.2 セルフコントロールの指標としての遅延割引の妥当性
3.2 子どもの遅延割引研究の有用性
 3.2.1 2つのパラダイムとの関連
 3.2.2 子どものセルフコントロールの定量化
 3.2.3 応用研究への展開
3.3 子どもの遅延割引の測定法
 3.3.1 実際選択場面
 3.3.2 仮想選択場面
 3.3.3 質問紙法

第4章 就学児の遅延割引
4.1 就学児の遅延割引の測定:予備的検討
 4.1.1 9~11歳児の遅延割引の測定(予備研究1)
 4.1.2 7~8歳児の遅延割引の測定(予備研究2) 
4.2 就学児用遅延割引質問紙の開発(研究1)
4.3 就学児用遅延割引質問紙の改訂(研究2)

第5章 就学前児の遅延割引とその応用
5.1 就学前児の遅延割引の測定(研究3)
5.2 ASD児のセルフコントロール訓練(研究4)

第6章 総合考察
6.1 遅延割引の発達的変化とセルフコントロールの発達
 6.1.1 就学児における遅延割引
 6.1.2 就学前児における遅延割引
 6.1.3 遅延割引から見たセルフコントロールの発達の2段階説
 6.1.4 遅延割引の性差
6.2 行動分析学から見たセルフコントロールの発達
 6.2.1 遅延割引の発達的変化の背景
 6.2.2 ルール支配行動未獲得(7歳児以前)
 6.2.3 外的基準に基づくルール支配行動(8~9歳児)
 6.2.4 内的基準に基づくルール支配行動(10~12歳児)
6.3 遅延割引研究の展開
 6.3.1 セルフコントロールの指標としての遅延割引率
 6.3.2 遅延割引の測定法の課題
 6.3.3 臨床場面への応用
6.4 今後の展望
 6.4.1 セルフコントロールと利他性の発達
 6.4.2 発達障害のアセスメントへの応用可能性
 6.4.3 セルフコントロールの教育
 6.4.4 セルフコントロールの異文化間比較

著者略歴

著:空間美智子
京都ノートルダム女子大学現代人間学部准教授

ISBN:9784812221105
出版社:昭和堂
判型:A5
ページ数:192ページ
定価:5400円(本体)
発行年月日:2022年03月
発売日:2022年03月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNA