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アグロフュエル・ブーム下の米国エタノール産業と穀作農業の構造変化

著:磯田 宏

紙版

内容紹介

アメリカ合衆国コーンエタノール政策がもたらしたアグロフュエル・ブームとその下での同国北中部穀作農業構造の動態と性格を解明いた。

目次

第1章 アメリカのアグロフュエル・プロジェクトとコーンエタノール産業構造分析の課題─フードレジーム論を中心とする農業・食料政治経済学の視点から─
第1節 本章の目的と限定
第2節 問題の起点─21世紀型穀物等国際価格暴騰の要因をめぐって─
第3節 フードレジーム論の基礎枠組み─フリードマンとマクマイケルの提起 ─
第4節 ポスト「第2フードレジーム」をめぐって
第5節 アグロフュエルの政治経済学と複合体,フードレジーム
第6節 本章の小括─アメリカ・コーンエタノールの歴史的性格規定と分析課題の析出─
第2章 アグロフュエル・ブーム下のコーンエタノール部門の動向と構造変化
第1節 本章の問題の背景と課題の設定
第2節 アグロフュエル・プロジェクトの中心としてのコーンエタノール政策
第3節 劇的拡張過程と「利潤危機」期を通じたコーンエタノール部門構造の再編
第4節 代表的巨大アグロフュエル企業と小規模専業メーカーの財務状況
第5節 トウモロコシ生産者・農村住民出資型企業の展開経緯と意義
第6節 本章の小括─アグロフュエル・ブーム下のコーンエタノール部門構造の到達─
第3章 アメリカ農業構造の分析視角と穀作農業構造変動の現局面
第1節 問題の背景
第2節 先行研究状況と分析課題の具体化
第3節 アメリカ農業の構造変動の特徴と現局面
第4節 穀作農業の構造変動と現局面
第5節 北中部における穀物類生産動向
第6節 本章の小括─アメリカ農業・穀作農業構造の今日的特徴と実態分析の課題─
第4章 コーンベルト中核・アイオワ州における穀作農業構造の展開
第1節 アイオワ州における農場セクターのマクロ経済状況と穀物類生産の推移
第2節 アイオワ州農業の構造変動の特徴と現局面
第3節 アイオワ州における穀作農業の構造変動と現局面
第4節 アイオワ州穀作農場の具体的存在形態と構造変化の到達点─実態調査を中心に─
第5節 本章の小括─コーンベルト中核=最優等地アイオワ州における穀作農業の今日的「担い手」の性格と「工業化」の到達点─
第5章 集約灌漑地帯ネブラスカ州における穀作農業の構造変化
第1節 ネブラスカ州の位置づけ,農場セクター経済状況と穀物類生産の推移
第2節 ネブラスカ州農業の構造変動の特徴と現局面
第3節 ネブラスカ州における耕作農業の構造変動と現局面
第4節 ネブラスカ州穀作農場の具体的存在形態と構造変化の到達点─実態調査を中心に─
第5節 小活─集約灌漑地帯における穀作農業「工業化」の到達点と矛盾の存在形態─
第6章 コーンベルト西北漸下の両ダコタ州穀作農業構造変化とエタノール企業
第1節 両ダコタ州の位置づけ,農場セクター経済状況と穀物類生産の推移
第2節 両サウスダコタ州における農業構造変動と主要階層の経済的性格
第3節 両ダコタ州における穀作農業の構造変動と現局面
第4節 両ダコタ州穀作農業の具体的存在形態と構造変化の到達点
第5節 両ダコタ州穀作農場における生産力構造と「農業の工業化」の諸相
第6節 コーンエタノール企業への出資とトウモロコシ販路─実態と性格─
第7節 本章の小括─コーンベルト西北漸地帯における穀作農業構造再編の特質─
終章 アグロフュエル・ブーム下の米国コーンエタノール産業と穀作農業構造の到達点
第1節 アグロフュエル・ブームの歴史的位置
第2節 米国エタノール産業の構造再編
第3節 アメリカ穀作農業構造変動の到達点と大規模経営の経済的性格
第4節 「農業の工業化」と「資本による農業労働の包摂」の到達点
引用文献
あとがき
英文要約・謝辞

著者略歴

著:磯田 宏
九州大学大学院農学研究院准教授 博士 (農学)
1960年 埼玉県生まれ。
東京都立国立高校卒業、九州大学農学部卒業、同大学院農学研究科
博士課程退学。
(財)九州経済調査協会、佐賀大学経済学部を経て、現職

主要著書
『アメリカのアグリフードビジネス』日本経済評論社 2001年
『日本農業の主体形成』(共著)筑波書房 2004年
『新たな基本計画と水田農業の展望』(共著)筑波書房 2006年
『新大陸型資本主義国の共生農業システム』(共著)農林統計協会 2011年

ISBN:9784811904832
出版社:筑波書房
判型:A5
ページ数:438ページ
価格:5500円(本体)
発行年月日:2016年03月
発売日:2016年04月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TV
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:NH