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コメのバイオ燃料化と地域振興

編著:矢部 光保
編著:両角 和夫

紙版

内容紹介

コメをバイオマス資源としてとらえ、バイオ燃料に向けての多段階利用の視点から検討し、我が国の事例や海外のバイオ燃料政策などに関する調査を実施した。そして今後のコメ・バイオエタノール政策の方向性について論じた。

目次

序章
第1部 政策的・技術的課題
第1章 コメ・エタノール燃料の意義と政策の課題
    ─「地域資源としてのコメ」という観点から─
はじめに─問題の所在─
第1節 地域資源としてのコメと利用をめぐる問題
第2節 欧米のバイオエタノール先進国に学ぶ
おわりに─コメ・エタノール化推進と政策の課題─
第2章 第2世代型バイオエタノールの製造技術 ─イネの利用と課題─
はじめに
第1節 バイオ燃料への関心の高まり
第2節 バイオエタノール製造技術と課題
第3節 技術開発に向けた国家プロジェクト
第4節 バイオマス資源としてのイネの利用
第5節 アメリカにおける新たな戦略
おわりに
第3章 資源・エネルギー作物としてのイネのポテンシャル
はじめに
第1節 我が国の栽培イネの由来と生産の特徴
第2節 我が国における水稲のバイオマス生産量と需要
第3節 国産イネのバイオ燃料活用の利点
第4節 バイオ燃料としてのコメと稲わらの特徴
第5節 バイオエタノール原料作物としてのイネの研究開発方向
おわりに
第4章 国産バイオエタノール支援施策とガソリン税の利用─市民的合意形成の可能性─
はじめに
第1節 分析手法とアンケートの設計
第2節 推計結果
第3節 考察
おわりに
第5章 バイオエタノール用米生産の推進政策─政策シミュレーション分析─
はじめに
第1節 分析方法
第2節 バイオエタノール用米生産の動向予測
第3節 バイオエタノール用米生産の推進政策
第4節 バイオエタノール用米の単収増大効果
第5節 含意─バイオエタノール用米の販売価格の上昇効果─
おわりに
第2部現場からの挑戦
第6章 廃棄バイオマスを用いた多収量米の生産技術と収益性─福岡県築上町の事例から─
はじめに
第1節 築上町における資源循環型まちづくりの歴史
第2節 築上町における水田の油田化計画
おわりに
第7章 福岡県築上町コメ・バイオエタノール事業スキーム─循環農業モデル─
はじめに
第1節 築上町のコメ・バイオエタノール事業計画
第2節 多収量米・西海203号の新たな展開
おわりに
第8章 岩手県奥州市胆沢区からの挑戦─転作田を活用したコメ・エタノール化の取り組み─
はじめに 
第1節 コメ・エタノール化の取り組みの発端─「四つの自給」のまちづくり─
第2節 コメ・エタノール化の取り組み─エネルギー自給から地域資源循環へ─
第3節 取り組みの到達点と課題のまとめ─エネルギーの観点と地域循環の観点─
おわりに
第3部 海外における取り組みと政策的課題
第9章 フランスにおけるバイオエタノール生産の現状と課題─小麦原料を中心に─
はじめに
第1節 農産物過剰と農政改革、新たな販路への期待
第2節 バイオ燃料生産の現状と振興策
第3節 バイオエタノールの生産体制と原料供給
おわりに
第10章 アメリカにおけるバイオエタノール生産とその政策
はじめに
第1節 アメリカのバイオエタノール生産と連邦政府の振興策
第2節 ミネソタ州のバイオエタノール生産と州政府の振興策
第3節 バイオエタノールプラントの運営形態
第4節 ミネソタ州におけるバイオエタノールプラント
第5節 バイオエタノール生産をめぐる最近の状況
おわりに
第11章 ブラジルにおけるバイオエタノール政策の新たな展開と課題
はじめに
第1節 ブラジルのバイオエタノール政策の展開と需給構造
第2節 バイオエタノール政策・産業の新展開
第3節 バイオエタノール政策の新展開が食料・環境に与える影響についての考察
おわりに
第12章 中国におけるバイオエタノール生産と食糧政策
はじめに
第1節 バイオエタノール生産振興の経緯と支援政策
第2節 吉林省におけるバイオエタノール生産と消費
第3節 バイオエタノール政策の展望
おわりに
第13章 マレーシアにおけるバイオ燃料生産の現状と課題─ペラ州シティアワンの事例より─
はじめに
第1節 マレーシアにおけるバイオ燃料生産
第2節 マレーシアにおけるパーム油産業
第3節 パーム油の将来展望とバイオディーゼル燃料生産
おわりに
終章 まとめと課題
あとがき
執筆者紹介

著者略歴

編著:矢部 光保
九州大学大学院農学研究院准教授。1960年生まれ。
食料・環境・エネルギーの相互関連を考慮した農業・農村政策を中心に、生物多様性、
バイオマス、アメニティの経済評価などの研究を行っている。農林水産省農林水産政
策研究所、ジョージア大学、ロンドン大学客員研究員など経て現職。博士(農学)。
論文・著書多数。
編著:両角 和夫
東北大学大学院農学研究科教授。1947年生まれ。
環境と経済が両立する循環型流域経済圏の構築を目指して、社会技術的な観点から研
究を行うと共に、ネットワーク型の農協や新たな農業金融のあり方に関する研究も行
っている。農林水産省農業総合研究所(現農林水産省農林水産政策研究所)農業構造
部長を経て現職。博士(農学)。論文・著書多数。

ISBN:9784811903590
出版社:筑波書房
判型:A5
ページ数:283ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2010年02月
発売日:2010年02月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TDCF