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農村では、男女共同参画型社会の実現に向けて、極めて具体的な取り組みが進められている。その一つに家族経営協定があり、全国ですでに2万戸を超える農家が文書協定を行っている。本書は、家族経営協定の理論と多くの実例を集約した待望の一冊である。

はしがき
第１章　家族経営協定の展開過程
　第１節　父子間の契約からの発展
　第２節　家族経営協定の展開の始まり
　第３節　家族経営協定の現状
第２章　家族経営協定で取り組む契約内容
　第１節　農業経営の改善に生かす契約内容
　第２節　多様な契約内容の展開
第３章　締結事例に学ぶ家族経営協定展開の意義（平成９年〜平成14年）
　第１節　広島県三和町における調査事例（調査時点：平成９年）
　第２節　全国各地の協定農家との対話に基づく事例の考察（調査時点：平成９年〜10年）
　第３節　山口県岩国市における調査事例（調査時点：平成12年）
　第４節　愛知県安城地域・渥美地域における調査事例（調査時点：平成13年）
　第５節　福島県会津地域における調査事例（調査時点：平成14年）
第４章　農業法人経営と家族経営協定の関係について
　第１節　本章の目的
　第２節　家族経営協定と法人化の関係に関する論点
　第３節　法人化志向農家の家族経営協定をめぐる意識
　第４節　法人経営における家族経営協定の実践
　第５節　まとめに代えて
第５章　家族経営協定における夫婦協定の今日的展開と課題
　第１節　課題の設定
　第２節　夫婦協定の今日的特徴
　第３節　夫婦協定締結の固有の意義
　第４節　夫婦協定に基づくパートナーシップ経営の今日的な到達点
　第５節　夫婦協定をめぐる今後の課題
第６章　家族経営協定の推進活動について
　第１節　家族経営協定の推進活動を考える視点
　第２節　家族経営協定の推進活動における農業委員会とＪＡ
　第３節　家族経営協定の推進活動の現局面における課題
あとがき（初出一覧お礼）

著：五條　満義
東京農業大学国際食料情報学部食料環境経済学科助教授。
主な著書に「家族経営協定普及推進の道しるべ」（共著）全国農業会議所、平成９年、「農村女性による起業と法人化」（共著）、筑波書房、平成12年などがある。