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レルヒ 日本にスキーを伝えた将校〈増補新版〉

著:新井 博

紙版

内容紹介

波乱万丈の生涯、決定的評伝。
今日の日本のスキー文化の礎がここにある。

明治末期に来日したオーストリア・ハンガリー帝国の参謀将校レルヒ。
日本軍の要請で、滑走技術のみならず、競技会・スキーツアーの開催法、軍隊での雪中露営・行軍の方法など、体系的なスキー講習を行った。

レルヒは故国ウィーンで、ツダルスキーらと共にアルペンスキークラブの幹部として活躍し、帝国軍へのスキー導入も主導した、筋金入りのスキー愛好家だった。
本来の目的の軍事視察を終えて帰国したレルヒは、第一次大戦の戦禍のもと、最前線で闘いを続けた。しかし敗戦、故国は瓦解。苦悩の後半生となる。
しかし日本では、レルヒのまいた種が大きく成長していた…

新版では、レルヒ後の日本スキーの発展を描く新稿50ページを増補。
レルヒ離日後わずか10年余りで、今日まで続く全日本スキー選手権大会の第1回が開催された。
他のスポーツより数十年おくれて日本に導入されたにもかかわらず、瞬く間にオリンピック参加を目指すまでに飛躍した、その原動力は何だったのか?

目次

◆Ⅰ 来日以前

第1章 生い立ち
第2章 軍人として
第3章 スキーとの出会い
第4章 日本への派遣計画

◆Ⅱ 日本でのレルヒ

第5章 日本初のスキー講習
第6章 レルヒが紹介したスキー技術
第7章 レルヒのスキー指導
第8章 軍事視察と帰国

◆Ⅲ 帰国後

第9章 戦禍のヨーロッパで
第10章 退役後

■新版における増補■
◆Ⅳ 高田から全国へ――日本スキーの発展

第11章 レルヒ帰国後のスキー
第12章 市民への広まり
第13章 日本スキー俱楽部高田支部
第14章 スキー復興

著者略歴

著:新井 博
新井 博(Hiroshi Arai)
1956年栃木県生まれ。筑波大学大学院博士課程体育科学研究科単位取得退学。博士(学術)。 福井大学,びわこ成蹊スポーツ大学を経て,現在,日本福祉大学スポーツ科学部スポーツ科学科教授。日本体育史学会会長。 専門は,体育史,スポーツ産業史。

近年の主な著作:
共編著『郷土史大系 観光・娯楽・スポーツ』(朝倉書店,2021年)
共編著『スポーツ技術・戦術史』(流通経済大学出版会,2021年)
共編著『スキー研究 100年の軌跡と展望』(道和書院,2021年)
編著 『新版 スポーツの歴史と文化』(道和書院,2019年)など。

ISBN:9784810521405
出版社:道和書院
判型:4-6
ページ数:240ページ
価格:2000円(本体)
発行年月日:2022年03月
発売日:2022年03月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:ST