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後藤さんは政府に「見殺し」された

政府の「検証報告書」を検証する

編:第三書館編集部
コメント:黒木 英充
コメント:西谷 文和

紙版

内容紹介

 5月21日、政府の「邦人殺害テロ事件の対応に関する検証委員会」は、「検証報告書」を発表。結論として「政府の判断や措置に誤りがあったとは言えない」とした。二人が殺されてしまったのに、対応に誤りがなかったというのは、二人の拘束が明らかになった当初から政府が二人を見殺しにしていたことに他ならない。
 また、「自衛隊が邦人救出に行けないと、殺されてしまいますよ」という見せしめの実例に仕立てて、国会での安保法制成立に役立てようとしたとも考えられる。
身代金交渉は? ヨルダンの現地対策本部は何をした?
詳しい経過は特定秘密保護法で秘匿されて発表されないでいる。
「検証報告書」の全文を収録し、その内容をつぶさに検証して、中東政策・集団的自衛権問題を考えるブックレット、緊急出版!

目次

A.「テロに屈しなかったから適切だった」だけでいいのか 黒木英充 5
B.邦人殺害テロ事件の対応に関する検証委員会「検証報告書」 12
                      コメント 西谷文和

はじめに 12
1. 8月の行方不明発覚から12月3日までの対応 14
   事実関係 14
   (1)邦人の渡航を防ぐことはできなかったか。 18
   (2)政府内の体制構築は十分であったか。 21
   (3)情報収集・分析は十分であったか。 23
2. 12月3日から1月20日の動画公開までの間の対応 24
   事実関係 25
   (1)情報収集・分析は十分であったか。 28
   (2)被害者の救出に向けた措置及び政府内の体制構築は十分であったか。 29
   (3)御家族への対応は適切であったか。 33
   (4)総理の中東訪問のタイミング及びスピーチの表現は適当であったか。 34
3. 1月20日の動画公開後の対応 39
   事実関係 39
   (1)政府内の体制構築は十分であったか。 49
   (2)情報収集・分析は十分であったか。 54
   (3)被害者の救出に向けた措置は適切であったか。 58
   (4)情報発信は十分かつ適切であったか。 62
   (5)御家族への対応は適切であったか。 67
   (6)事件を受け、邦人保護のための措置を適切にとったか。 68
   総括 71
C.“邦人殺害テロ事件への対応を検証する”とは? 板垣雄三 75

著者略歴

コメント:黒木 英充
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授。専門は中東地域研究、東アラブ近代史。1990年代に調査のためシリアに長期滞在、2006年以降はベイルートに設置した同研究所海外研究拠点長として頻繁にレバノンに渡航。
主な著書に『シリア・レバノンを知るための64章』(編著、明石書店)など。
コメント:西谷 文和
1960年生まれ。1985年から吹田市役所に勤務。04年末に退職し、現在はフリーランスジャーナリストで「イラクの子どもを救う会」代表。
9・11事件後、イラクやアフガン、シリアなど紛争地を精力的に取材。06年度「平和協同ジャーナリスト基金賞」を受賞。テレビ朝日「報道ステーション」や読売放送「ニュースten」など出演多数。

ISBN:9784807415557
出版社:電子本ピコ第三書館販売
判型:A5
ページ数:80ページ
定価:800円(本体)
発行年月日:2015年07月
発売日:2015年07月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:JBF