オーガニック
有機農法、自然食ビジネス、認証制度から産直市場まで
著:ロビン・オサリバン
他訳:浜本隆三
他訳:藤原崇
内容紹介
高騰する化学肥料や、地球に負荷をかけない農業の在り方が注目される中で、
過去70年の米国のオーガニックの歴史をまとめた。
自然食品や有機農の虚像と実像、有機認証制度の発展や、
反体制運動としてのオーガニック、アマゾンが買収した有機スーパーチェーンなど、
農業者も、消費者もハッピーなオーガニックの在り方を描き、
これからの日本の自然食の在り方を浮き彫りにするタイムリーな1冊。
【主な内容】
化学肥料と農薬なしでの農業
自然に寄り添う暮らしとオーガニック
自給自足と全粒粉
農薬と農務省
オーガニック・デトックス
ファーマーズマーケット
ベジタリアン
エコラベル
他
目次
はじめに
オーガニックを捉えなおす
社会運動としてのオーガニック
「オーガニック」とは何か?
第1章 オーガニックは「土」に着目することで始まった(1940~50年代)
J・I・ロデイルの確信と戦略
オーガニックの芽吹き
オーガニック雑誌の創刊
オーガニックの教科書『ペイ・ダート』
ヘンリー・ソローと自給自足
「暮らしの学校」創設と『緑の革命』
劣化が進む土壌肥沃度
小説家ブロムフィールドと農場
科学的根拠の欠如
邁進するロデイル
殺虫剤、土壌改良剤の普及
オーガニック信者と懐疑派
第2章 『沈黙の春』・カウンターカルチャーからエコロジー運動へ(1960~70年代)
レイチェル・カーソン『沈黙の春』の波紋
カウンターカルチャーとオーガニック
ロデイルの信奉者たち
ニアリング夫妻の自給自足生活
広がりを見せるオーガニック農業
DDTからエコロジーへ
アメリカ初のオーガニック認証プログラム
オーガニック食品への関心の高まり
オーガニック運動の転換期
第3章 ビジネスと社会運動(1970~80年代)
オーガニック食品への批判
オーガニック食材のブランド化
自営農家と農本主義
オーガニックフルーツを食べるセレブたち
オーガニック食品の広告戦略
オーガニックに消極的な米国農務省
オーガニック企業の出現
リンゴとがん
第4章 本物/軽薄─認証と慣習化(1990年代以後)
有機食品生産法がもたらした混乱
新しいタイプのオーガニック農家たち
環境保護主義とオーガニック
オーガニックは本当に地球に優しいか?
ロカヴォア運動の広まり
巨大企業の農業ビジネス参入
オーガニックの魂の消失
「本物」のオーガニック
第5章 ビッグ・バッド・オーガニック─健康志向と商業化
オーガニック食品の栄養価
オーガニック食品と不健康なアメリカ人
遺伝子組み換え食品の登場
数多のオーガニックブランドを所有する巨大企業
乳幼児とオーガニック製品
オーガニック・ラベルへの過信
オーガニックの牛乳をめぐる騒動
オーガニック食品の栄養価への疑問
オーガニックにまつわる矛盾
ロデイル家の影響力
第6章 美味しい革命─高級化と大衆化
誰でも買えるオーガニック食品
オーガニック食品を買う理由
真の自然主義者、ロハシアン、ニュー・ラグジュアリ
ホールフーズマーケットの台頭
広がる購買者層
製品の購入は投票である
オーガニック市場の先行き
オーガニックは続いていく
訳者あとがき
注
参考文献
索引