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人に話したくなる土壌微生物の世界

食と健康から洞窟、温泉、宇宙まで

著:染谷 孝

紙版

内容紹介

畑に食卓、さらには洞窟、宇宙まで!?

植物を育てたり病気を引き起こしたり、
巨大洞窟を作ったり光のない海底で暮らしていたり。
身近にいるのに意外と知らない土の中の微生物。
その働きや研究史、病原性から利用法まで、この一冊ですべてがわかる。
家庭でできる、ダンボールを使った生ゴミ堆肥の作り方も掲載。

目次

はじめに

第1章 未知の世界がいま明らかに──人と微生物との関わり
身近な微生物
微生物の発見
病原菌の発見
土壌微生物学のはじまり
土壌微生物学の新時代

第2章 土と微生物
田んぼでは連作障害が起きない!? ──持続的農業と微生物の関係
99%は未知──土壌微生物
反芻動物と微生物──共生微生物1
根粒菌の働き──土壌微生物2
菌根菌、キノコが山を緑に?──共生微生物3
大気を作った微生物──シアノバクテリア
世界遺産を蝕む微生物
虫眼鏡で見る土の微生物
蛍光顕微鏡で見るミクロの世界
培養できない細菌の謎を解く
肥料を逃す脱窒菌
硝化菌──農地では悪玉菌、水環境では善玉菌
硫酸還元菌──水田の悪玉菌

第3章 善玉菌を活用する──微生物資材
様々な微生物資材──効果は本当にある?
乳酸菌の農業への応用──害虫防除に効く?
植物生育促進微生物──期待される微生物資材1
光合成細菌──期待される微生物資材2
家畜ふんや生ごみからエネルギー


第4章 環境を浄化する微生物
石油を分解する微生物
バイレメは安価
農薬や有機溶剤を分解する微生物

第5章 土の中の病原菌
土からやってきた病原菌──温泉に潜む危険
ボツリヌス菌──新技術が生んだ災厄
食中毒菌はどこから来る?

第6章 堆肥と微生物
堆肥とは?
堆肥の科学
いい堆肥、悪い堆肥とは?
いろいろな堆肥を使い分ける
堆肥の善玉菌──放線菌とバチルス
病害抑制効果
段ボールコンポスト──家庭で作る生ごみ堆肥
みんなで作る生ごみ堆肥
地域の生ごみ堆肥化施設──先駆者はちがめプラン
大学による支援

第7章 洞窟の微生物
洞窟はなぜできた?
観光洞で見る微生物の働き
トウファ──シアノバクテリアが作る鉱物
ムーンミルク──未解明の柔らかい鍾乳石
イオウ酸化細菌──石膏を作り、巨大洞窟を作る!?

第8章 土壌から宇宙へ
温泉の微生物──最初の生物の子孫?
地殻の微生物──解き明かされるか、地底世界
生命の起源と地球外生命体発見の可能性

おわりに
参考文献
索引

著者略歴

著:染谷 孝
1953 年東京下町に生まれる。
東京教育大学農学部生物化学工学科卒業。
東北大学大学院農学研究科農芸科学専攻修了、農学博士。
1982 年より産業医科大学医療技術短期大学微生物学助手のち講師。
1994 年から佐賀大学農学部助教授のち准教授を経て教授。
2019 年定年退職、名誉教授。
引き続き招聘教授として研究に携わる(堆肥や野草に含まれる拮抗菌の解明と応用)。
専門は土壌微生物学、環境微生物学。
日本洞窟学会会長、廃棄物資源循環学会九州支部長を歴任。
ケイビング(洞窟探検)は趣味と仕事を兼ね、会員50 名を超える市民ケイビングクラブ「カマネコ探検隊」の事務局長。
土壌微生物学や微生物資材に関する論文多数。

ISBN:9784806716075
出版社:築地書館
判型:4-6
ページ数:196ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2020年09月
発売日:2020年09月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KN
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:TVB