性機能、排尿機能温存手術を編み出した世界的名医であるウォルシュ教授（ジョンズホプキンス大学）が書き下ろした前立腺がんの予防と療のすべて。その発症から、多岐にわたる治療法の選択と予後まで、迷いがすっきり解消する本格的治療ガイド。
日本に比べ、圧倒的に前立腺がんの患者数が多い米国で、患者とその家族向けに書かれた治療ガイドですが、本書で紹介されている薬剤の中で、日本で使える薬、使えない薬、日本での商品名なども明示し、患者本人のみならず、家族などの関係者から、医療従事者まで参考になる本にしました。
著者のウォルシュ教授は治療後の性機能、排尿機能を温存する画期的な手術法を生み出した外科医ですが、病理医や放射線腫瘍医からの意見を集めて、多様な治療法を提案。それぞれの治療法の作用機序からプラス面マイナス面まで、かなり踏み込んだ解説をしています。
進行してしまった前立腺がん治療のための薬剤による去勢、内分泌療法、抗がん剤による化学療法、免疫療法、遺伝子治療、血管新生遮断剤、アジュバント療法から痛みへの対処まで。また、患者の妻やパートナー、看護者へのアドバイスもついた、行き届いたガイドとなっています。
